最近ネットニュースを見ていると、CEO(最高経営責任者)ではなくCFOという言葉を目にすることが多いと思います。
CEOは何となく「社長」という意味がするような気がしますが、CFOも同じように社長職を意味する言葉なのでしょうか?
1.CFOはアメリカ企業の最高財務責任者を意味する言葉
CFOのようにアルファベットの略語は元の英単語を見ればその意味がよく分かります。CFOは英単語のChief Financial Officerの略語であり、日本語に訳すと最高財務責任者という意味になります。CFOはアメリカ合衆国内の企業の中で生まれた言葉です。CFOはアメリカ企業の理事会で選出されます。
上記の図をご覧ください。CFOは財務の最高責任者ですが、その守備範囲は会計から保険までと非常に広いことがお分かり頂けるでしょう。これらの経験やスキルが十分にある人物であれば、年収もかなり高いと想像することができます。
2.CFOを理解するカギ=財務戦略
以上の説明を読むと、CFOは公認会計士や税理士などの資格を持つ人、または長年経理を担当している人が適任なのでは?という印象をお持ちになることでしょう。CFOは単純な経理のスペシャリストではありません。財務戦略を立てることができ、さらにその財務戦略をCEO(最高経営責任者)の立てる経営戦略とマッチさせ成功へ導くことができる人物でなければいけません。
では、財務戦略とは一体どのようなものなのでしょうか?
・財務戦略=経営戦略を実現するための最適な資金構成を実現すること。節税、資金調達、株式発行などの計画を立て実現させること
財務戦略は経営戦略とセットで考えられるべき計画です。例えば、経営戦略で「2025年までに一部上場する」という目標が立てられたとしましょう。その目標を実現するための財務戦略を立てられる人がCFOとして相応しい人物です。具体的には、経営学修士(MBA)や公認会計士の資格を持つなど、頭脳明晰な人物がCFOに着任しています。
3.CFOが逮捕!コテコテの日本企業ではなくグローバル企業にいるCFO
厳密な意味でのCFOは典型的日本企業にはいません。しかし、海外でも通用する企業(トヨタやキャノンなど)にはCFOが存在します。ちなみに、中国最大のモバイル企業であるファーウェイのCFOが先日アメリカにて逮捕されるというショッキングなニュースが報道されました。え?なぜイチ企業のCFOが逮捕されちゃうの?と不思議に思う方も多いのではないでしょうか。
CFOは「単純な会計や経理ができる人」ではなく、それらを踏まえた「財務戦略を実行できる人」です。と言うことは、裏を返せば「財務の裏道を知る人」というように表現することもできます。
警察官による盗撮、教師による虐待など世の中には職権(その職業ならではの特権)を利用して悪事を働く人も残念ながらいらっしゃいます。ファーウェイほどの一流企業であれば、そのCFOが扱う資金も非常に莫大です。頭の良いCFOが一歩間違えれば、社会的問題を起こす可能性もあります。
まとめ
CFOは財務に精通し経営戦略に沿った財務戦略を立てて実現させることのできる企業の財務のトップです。規模の小さなベンチャー企業や典型的な日本企業(海外支店なし等)にはCFOはなく、グローバル企業や資金規模の大きな企業に当てはまる言葉として認識されています。