私自身現在、株式会社SoLabo(ソラボ)を経営して、7期目を迎えました。多くの経営者とご一緒させていただき、さまざまな資格を保有している方を見てきました。
私自身もたくさん資格を取得する中で、会社経営をする際にこの資格が役立つな。と実感することがあります。
私の経験から、会社経営に役立つ資格についてご紹介していきます。
1.経営者に資格は必要?
結論から言うと、資格を持っていなくても会社を経営することは可能です。
会社を経営し、成長させていくためには、資格以外に次の様なスキルが必要です。
- 営業力
- 組織構築力
- マーケティング力
- 資金調達力
- 人間力
資格を取得したことにより、上記の力が身に付くこともありますが、様々な経験を通じて身に付く力もあります。なので、結論を言うと、資格があってもなくても会社を成長させていくことは可能です。
とはいえ、事前に資格を取得するために勉強しておくことで、多くのメリットを受けることもありますので、ここからはどんな資格が会社経営を行っていく上で役立つかをご紹介していきます。
余談ですが、私(田原広一)は、税理士有資格者、FP2級、マイクロソフトオフィススペシャリスト、住宅ローンアドバイザーなどの資格を取得しておりますが、これらの資格を取得するために勉強し、得た知識が経営にかなり役に立っております。
2.経営者におすすめの資格5選
それでは経営に役立つ資格(学ぶべき知識)には、どのようなものがあるのでしょうか?
選ぶポイントとしては、取得のために得た知識が経営に活用できる資格を選ぶと良いでしょう。
上記を踏まえた上でいくつかの資格をご紹介します。
日商簿記
簿記は、高校などで学んでいる方も多いと思います。「就職に強い資格」というイメージがあるかもしれませんが、お金の管理を行う経営者にとっても、かなり重要な知識、資格です。
試験を受け、簿記を取得することで、決算書を読むことができ、経営状況を把握することに役立ちます。また、「会計ソフト」を取り扱うこともあるかと思いますので、そういった場合に活かすこともできます。
難易度別に受験するレベルを選ぶことができ、決して難関資格ではありませんが、最低限の知識を備えた上で、受験することをおすすめします。
税理士は、税金や、会計のプロとしての資格です。税理士の勉強をすることで、決算書の読み方を理解することができます。経営者として、決算書を読むことができることは確実にプラスになります。また、お客様と対応する際にも、税理士の勉強が役に立つことがたくさんあります。
税理士試験の受験科目に「簿記論」「財務諸表論」「法人税」がありますが、この3つの知識があると、会社経営にはかなり有利です。
公認会計士
公認会計士は、企業の財務の監査や証明業務を行うための資格で、分かりやすく言うと「企業の不正を見抜く」ことに役立ちます。公認会計士の試験に合格し、実務経験を積むと、CFOというポジションで活躍することもできるので、会社経営を支えることも可能です。
会社を経営する上でも、監査や証明業務の知識も持つことで不正を防ぐことができます。
公認会計士の資格は「公認会計士試験」の合格で取得することができます。受験資格は特にありませんが、合格率が10%未満と取得の難易度が高いです。しっかり勉強をしてから試験に挑むことをおすすめします。
試験は「必須科目」と「選択科目」の2つに分かれています。
必須科目は「財務会計論」「管理会計論」「監査論」「企業法」「租税法」の5つです。
選択科目は「経営学」「経済学」「民法」「統計学」から1科目を選択です。
中小企業診断士
中小企業診断士とは、経営コンサルタントの国家資格です。ビジネスに関して広く学ぶことや有益なビジネススキルを身に付けることができるため、経営者を中心に人気の資格となっています。
経営コンサルタントのために資格ですので、企業の売上を伸ばし、発生するコストを削減し、利益を伸ばす提案をする力を得ることができます。この資格を持つことにより自社の経営をよりよく行うことができます。
第1次試験の科目は、「経済学・経済政策」「財務・会計」「企業経営理論」「運営管理」「経営法務」「経営情報システム」「中小企業経営・政策」の7科目となります。主に企業の組織や業務内容に大きくかかわる内容となっています。
第2次試験は、「中小企業の診断および助言に関する実務の事例」に関する筆記試験と口述試験になります。過去の出題内容を調べることができるため、事前準備を行うことが必要です。
中小企業診断士は、合格率が低く難関資格と言われていますが、取得することで経営に関する幅広い知識が身に付くため、おすすめの資格と言えるでしょう。
経営士
経営士とは、経営者に対して、経営についてのアドバイスを行える資格です。中小企業診断士と内容が似ている部分が多いですが、中小企業診断士は国家資格であるのに対して、経営士は民間資格になります。
そのため取得のハードルは中小企業診断士に比べると下がりますが、試験を受けるためには「経営管理の実務経験5年以上」という条件があります。
試験内容ですが、「筆記」「面接」「経歴審査」の3つに分かれています。筆記試験の内容は経営課題についての論述や、経営やマーケティング、人事などの6科目からの2科目選択式となっています。
企業経営において、会社運営や企画に関して幅広く指導やアドバイスができるようになります。
MBA
MBAとは「Master of Business Administration」の頭文字を取っており、日本では「経営学修士」と呼ばれている、経営学に関する学位です。(資格ではなく学位です。)
内容は「経済学」「情報・マーケティング」「統計学」「財務会計」などといったビジネスに欠かせない科目を中心に構成されており、経営に必要な知識と技術を学ぶことができます。
MBAを学べる場所は、国内や海外にあるMBAプログラムを提供するビジネススクールが主です。しかし、入学や学位取得のために必要な知識レベルは高く、スクールに通うまでの努力も必要かもしれませんね。
その分MBA取得を経て、優秀な経営者に成長している人材も多く、興味を本格的に学びたいと思った方は自分に合ったスタイルで取得を目指してみると面白いでしょう。
マーケティング・ビジネス実務検定
会社を経営する上で、集客は非常に大切です。マーケティング知識ゼロだと、成長戦略を立てにくいので、こちらの資格を勉強しておくこともおすすめです。
さまざまな資格を記載させていただきましたが、あまり時間をかけることができず、1つしか選ぶことができないのであれば、私は日商簿記2級をお勧めします。
経営する上で、決算書に書かれていることがどういうものかはある程度は理解できた方がよいです。そのため、あまり時間をかけることができず、1つしか勉強できないのであれば、私は日商簿記を選び、あとは、実務を行う上で足りないものはネットで調べたり、本を読みながら知識を吸収するのがよいと思います。もちろん時間があるのであれば、税理士や会計士の難関試験に挑むのもありだと思います。
3.資格取得のための知識はどうやって学ぶ?
資格によって取得の難易度は様々ですが、取得に向けた知識を得る方法も様々です。それぞれにあったスタイルで取り組むとよいでしょう。以下はその一例です。
(1)通信講座
働きながら資格取得を目指すなら「通信講座」がおすすめです。
テキストが山のように送られてきて、結局独学で勉強をする…なんてイメージを持っている方もいるかもしれませんが、現代ではスマホなどを活用して空いた時間で受講できる講座もありますので、スタイルに合った講座を見つけてみてください。
(2)専門学校
資格取得に特化した専門学校も多く存在します。時間が決まっているため、仕事や生活のスケジュールによっては難しいかもしれませんが専門の講師に直接指導してもらえる機会が生まれるため、本格的に資格取得を目指すなら入学もおすすめです。
(3)市販のテキストで独学
1人でも集中して勉強に取り組むのが得意な方は、市販の資格取得に向けたテキストも多くありますので、書店や通販で買い集めるという方法もあります。
利用者のレビューなどを参考に、効率よく勉強ができるテキストを見つけられるかどうかが重要です。
まとめ
以上、経営者におすすめの資格についてでした。
会社を経営し、従業員が増えると、専門のスタッフなどに業務を任せることが多くなるかもしれませんが、経営者が把握できる部分は多い方が良いと思いますし、自身の指示やアドバイスで経営を良い方向に進めることもできます。
取得するメリットのある資格が多いですので、興味のある資格があればぜひ取得を目指してみてください。もちろん資格に合格していなくても、知識を身につけるだけでメリットはありますので、興味がある分野は勉強してもよいでしょう。