日本政策金融公庫で融資を受ける場合に提出するものが「創業計画書」ですが、この資料は融資に関わるとても重要なものとなります。
書き方によって、融資が成功するかどうかが決まることもあります。
融資成功に向けて、「創業計画書」の書き方を1つ1つチェックしていきましょう!
創業計画書の基礎知識
創業計画書というのは、今後行っていく事業内容を融資担当者にアピールするための大事な書類です。創業の動機から経営者の略歴、今後の計画までもが1枚で分かってしまいます。
また、融資担当者からすると、融資額をきちんと返済できる相手かどうかも見極めています。
このようなことが分かると尚更、間違った書き方をしてはいけない、と感じるかと思います。
次に、本題の各項目についての書き方をご説明していきます。
創業計画書の各項目の記載方法
▪テンプレートの用意
まずは、日本政策金融公庫のHPから、テンプレートをダウンロードしましょう。
テンプレートは、「Excel」と「PDF」がございますが、Excelを使ってパソコンで記入しても、PDFを印刷して手書きで記入してもどちらでもやりやすい方を選択しましょう
また、テンプレートの下に、様々な開業パターンに沿った創業計画書の記載例が用意されているので、自身の開業プランに合った記載例をご用意ください。
→→→日本政策金融公庫HP
【注意】「Excel」での記入の場合、書きすぎて印刷の際に文字が切れてしまう可能性があるため、項目ごとに書き終わったらこまめにチェックするようにしましょう。 「PDF」で手書きでの記入の場合、スペース一杯に書くことは大事ですが、見づらくなってしまっては逆効果です。手書きの際は丁寧な文字で見やすく書くようにしましょう。 |
(1)創業の動機
創業動機は、なぜ創業しようと思ったのか、創業に対する自身の熱い思いを余すことなく記入します。
安易な気持ちで創業を決めた方はいないと思いますので、書けるスペース一杯に書くことが望ましいです。
(2)経営者の略歴
過去にどのような仕事の経験があるのかを分かりやすく記入します。
店長やリーダーなどの責任ある役職についていた経験があるならば、それも記入することで融資成功の確率が上がります。
〈例〉 ○○年 ○○店 店長として〇年勤務 |
融資担当者との面談の際にも質問されるので、もしも記入を忘れてしまっても口頭で伝える機会はありますが、記入した方が目にして分かるので、忘れないように記入することが望ましいです。
(3)取扱商品・サービス
開業後に行う事業内容やメニューを記入していきます。メニュー内容はもちろん、メニューの値段も記入しましょう。
また、そのメニューを販売することでどれくらいの利益があるのか、ということも目安でいいので記入します。
「セールスポイント」については、自身が行う事業にしかない特徴を記入していきます。
既に存在する事業と同じことを行っても、新鮮味が無くなってしまう為、融資担当者からも注目を浴びるようなアピールができると良いでしょう。
(4)取引先・取引関係等
①販売先
飲食店を例にお話しすると、販売先は一般個人の為、例にある通りに記入します。
②仕入先
面談時には必ず、仕入れ先との付き合いがどれくらいかを聞かれます。
飲食店開業の方の多くは、過去に取引の経験がある会社を記入するかと思いますが、取引年数が長ければ長いほど信用度が高まり、融資成功へも近づきます。
(5)従業員
雇用を予定している従業員数を記入します。
(6)お借入の状況
他からの借入がある方は、隠さず記入しましょう。借入残高が記載されている表を提出しなければならないため、その表に記載されている金額を記入するようにします。
また、融資を受けたいがあまりに、借入していることを隠して記入しなかったり、金額を少し少なくして記入したりする方もいらっしゃいますが、基本的にはバレてしまいますので、隠さず記入しましょう。
(7)必要な資金と調達方法
店舗の内装費、外装費、厨房機器、必要備品等、開業にあたり高額で購入しなければならないものが多数あるかと思います。これらの金額は、業者に見積書を依頼し、作成してもらい、見積書の通りに記入しましょう。
業者も慣れているため、融資を受けるので見積書を作成してほしい、と伝えると、すぐに対応してくれます。
【注意】この項目の一番下の欄に、金額を記入する欄が2つあります。この2つの欄の金額は、どちらも同じ額になるように記入します。 |
(8)事業の見通し(月平均)
この欄のポイントは、売上の根拠を明確にすることです。ただ、記入できるスペースが少ない為、別紙資料を作成し、提出するのでもいいでしょう。
面談時には、この売上根拠について質問を受けます。その為、このくらいの売上だろう…、という曖昧な考えでは融資は通らない、と思っておいてください。
まとめ
創業計画書は、融資を受ける際に必ず必要なものとなります。順を追っていけば難しいものではありません。
また、記載内容のミスが無いようにこまめにチェックすることも大切です。
まずは自身で作成をしてみるのも良いでしょう。
それでも、パソコンが苦手、難しいと感じる方は融資の専門家に相談し、一緒に作成していきましょう。