起業したいけど、資金がない。
でも起業するには資金が必要。
そのため金融機関から融資を受けようと考えたけれど、自己資金の要件があり融資を受けることができない・・・というケースもあるでしょう。
しかし、すべての金融機関に自己資金の条件が定められているわけではありません。
今回は、自己資金ゼロで起業する方法や資金調達する方法を紹介します。
1.融資を受ける際、自己資金はどのくらい貯めておくと良い?
まずはじめに、事業をスタートするにはどのくらいお金がかかるのか、お話します。
業種や規模によってもちろん異なりますが、飲食店は600万円以上、美容室は1000万円以上、初期費用としてかかるケースもあります。
他にも事業を開始すれば、商品や材料の仕入れ、人件費や家賃などの運転資金が必要です。
これらすべての費用を自己資金でまかなうことができれば問題ありませんが、多くの方が金融機関から融資を受けるなどして資金調達をします。
例えば、創業時の融資でオススメしている日本政策金融公庫に「新創業融資制度」というものがあります。
新創業融資制度は、無担保・無保証でお金を借りることができますが、「創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方」と自己資金要件が定められています。(引用:日本政策金融公庫 中小企業経営力強化資金の概要)
もちろん自己資金は要件のひとつなので、そもそも事業の創業計画がきちんとしていなければ融資はうまくいかないでしょう。
とはいえ、自己資金は多ければ多いほど良いです。
目安として、借入希望額の1/3程度は自己資金で貯めておくと、融資成功の可能性が上がるでしょう。
900万円借りたいと思ったら、300万円ほど貯金があるとベストです。
2.自己資金要件のない融資
(1)中小企業経営力強化資金
日本政策金融公庫の融資制度のひとつです。
無担保・無保証・低金利でお金を借りることができます。
ただし、この制度を利用するには認定支援機関を通して融資を申し込むことが必要です。
こちらの記事で中小企業経営力強化資金について詳しく解説しておりますので、あわせてご参照ください。
(2)補助金・助成金
経済産業省や厚生労働省、各地方自治体が実施しています。
融資で借りたお金は返済義務がありますが、補助金や助成金はもらったお金は返済不要という点が魅力的です。
しかし、補助金や助成金には募集期間が設けられており、いつでも申し込みができるわけではありません。
また、基本的には後払いになりますので、余剰資金としてお金がほしいと考えている場合には不向きです。
(3)カードローン
すぐにお金が手に入り、無担保無保証、特別な書類を提出する必要もありませんが、金利が高いのであまりオススメはできません。
緊急用や入金があるまでのつなぎとして利用するなど、利用するのであれば使い方に注意しましょう。
返済の遅延があったり返済が滞っていたりすると、信用情報に傷がついてしまいます。
そうなると仮に日本政策金融公庫での融資を考えたときに、マイナス要素となってしまいますので、お金を借りた際は現在の借入額と返済スケジュールを確認する習慣をつけましょう。
3.融資が受けられない場合、どうする?
(1)クラウドファンディング
自分の事業をアピールすることで、賛同者から資金を集める仕組みです。
法人個人問わず誰でも行うことができます。
最近は認知度も上がり、様々なクラウドファンディング運営会社が存在します。
社会貢献や地域貢献が多いもの、音楽やアートなどクリエイティブ系など、運営会社ごとに特色があるので、ご自身の考えるプロジェクトに合った会社を選ぶと良いでしょう。
(2)ビジネスコンテスト
「ビジコン」と呼ばれているものです。
クラウドファンディングと違い応募対象がありますが、学生~社会人や30歳未満の方、スタートアップ企業など、幅広く設定されているものがほとんどですので、腕試ししてみるのも良いでしょう。
4.資金調達ができなかった・・・起業は諦めるしかない?
資金調達の方法を説明してきましたが、どれもうまくいかずお金が借りられなかったとしたら、起業は諦めるしかないのでしょうか。
答えはNoです。
決して諦める必要はありません。
ただし、一度立ち止まって「今すぐ起業しなくてはいけないのか?」と、考えてみることが大事です。
資金集めに苦戦している現状を打開するには、
今すぐ起業するのではなく、自己資金を最低100万円貯めてから融資を受ける
または
少ない資金でも起業可能な業種であれば、小規模から事業を始めて実績をつくる
という2つの選択肢があります。
まとめ
あまり費用がかからずに事業を行える分野もありますが、設備を購入するにしても人を雇うにしても資金が必要です。
いざ、融資を受けたい!と思ったときに自己資金要件で引っかからないように、計画的にコツコツと貯めていきましょう。