8年ほど前、とある英会話スクールで正社員として働いた経験がありますが、その時に突然、税務調査が入り非常に驚いたことを記憶しています。
今回の記事では、個人事業主として働く皆さまのお役に立てるよう、税務調査の基準や口座について語らせていただきたいと思います。
1.秋のある日。いきなり代表電話に税務署から電話がかかってきた
私は英会話スクールで英語講師として働いていたのではなく、いわゆる何でも屋でした。そのため、ホームページの文言を多少htmlで修正すること・画像を変更するWEB関係、そして生徒様のお問合せに応えるカスタマーサポートなど、なんでもやっていたのです。
イーオンやECCのような大手英会話スクールで働いていたこともありましたが、税務調査の経験をしたのは個人事業主の社長と奥様と外国人講師たち、そして数人のスタッフだけで経営している小規模な英会話スクールでした。
数人のスタッフの一人が午前中の10時ごろ1本の電話を受け、困って私に連絡してきました。「社長はどこにいる?と税務署から電話がありました。今はいない、と答えると、じゃあいつ戻るのですか?と聞かれて電話を切れません。」
私が電話を代わることにし、とりあえず社長の奥様へ電話をつないでその場はなんとか収まりました。
2.午後には2名の国税局職員が六本木に到着
電話が終わってホッとしたもつかの間。今度は2名の国税局職員とみられる人物が入り口に立っており、私が呼び出されることになりました。「社長はまだ来ていません」と言うと、「今どこにいるか分かりますか?」と言われたので、正直に「渋谷と聞いています」と返答しました。
「渋谷のどこですか?」「さあ、そこまでは分かりません。」私は答えながら、コワイ、、!なんでこんなに執拗に追っているのかと疑問に思いました。
私ともう一人のスタッフが作業している後ろに、その2名は約5時間ほどずっと立っていました。「なんだかわからないけど、税金未納ってこんなに怖いんだ。気を付けよう」と肝に銘じたものです。
3.「法人としても個人としても支払うべき税金を払っていないから」
とうとう、「なぜ社長を探しているのですか?」と聞きました。すると、ショッキングなことを言われました。見出しにある「「法人としても個人としても支払うべき税金を払っていないから」というセリフです。でも、そういわれると何故か納得できるようなエピソードがいくつか思い浮かんだのです。
4.個人事業主が税務調査に当たると思われる基準とは
①海外に口座を持っていた=所得隠し?
外国人講師を雇う関係からか、社長は海外に口座を持っていると話していたことがあります。もしかすると、それが売上隠しや税金逃れとみられてしまったのかもしれません。
②割と生徒や問合せの多い英会話スクール=売り上げはそこそこあったはず?
生徒数はオンライン英会話でしたので、1000人近くいました。無料体験の人ですぐいなくなってしまう人もいるので、実質は600名ぐらいだったと思います。
通学制の英会話スクールと比べてオンライン英会話はとても月謝が安いです。というより、月謝ではなくワンレッスン300円程度で受講が可能です。
にしても、600人の人がひと月2千円はらっているとしても、ひと月の売り上げは単純計算して120万円。年収だと実に1440万円となります。
③事務所の所在地がバーチャルオフィスだった=経費ほとんど使ってない?
こうして書いていくと怪しい点だらけなのですが、ホームページに記載されている住所は実際にはそこに誰もいなくて、いわゆるバーチャルオフィスでした。生徒様は当時Skype(スカイプ)という今でいうラインのようなもので外国人講師とのレッスンを受講されていたのです。
「経費節減することで、格安なレッスン料でご提供できるから」という社長の理念に感動していましたが、税務調査的には怪しすぎたのかもしれません。
まとめ
個人事業主の方にお役に立ったかは不明ですが、筆者の実際に経験した税務調査についてお話させていただきました。
所得隠しなどを意図的にしていなくても、複数の事業をしていると税金の計算や申告はとても難しいですよね。
税理士さんに相談するのも、一つの良い方法です。