個人事業主が頭を悩ませるのが資金調達。
しっかり資金繰りをしていても、一時的にすぐ資金が必要!となる場面はあるでしょう。
即日融資を希望しても、一般的な金融機関はどんなに早くても数日かかります。審査の早い銀行のカードローンでも翌日以降になるため、当日中の資金調達は困難です。
この記事では、個人事業主が即日融資で資金調達する方法と、それ以外におすすめの資金調達方法をご紹介します。
1.個人事業主が即日融資で資金調達する方法
資金調達を行う場合、銀行や日本政策金融公庫などの金融機関から融資を受けることが一般的です。銀行のカードローンを利用する方もいるでしょう。
しかし、金融機関の融資には審査があり、申し込みから融資が実行されるまでは少額の融資でも数日はかかります。
銀行のカードローンも、どんなに早くても翌日以降になるでしょう。
個人事業主が即日融資で資金調達をするなら、大手消費者金融のカードローン(キャッシング)に申し込みましょう。
大手消費者金融は、多くの場合、初回利用なら無利息期間のキャンペーンがあるため、一時的な資金繰りに利用できます。
しかし、消費者金融の利用履歴は5年間、個人信用情報機関に残るので、注意してください。その間、信用情報を照会して審査を行う金融機関からは希望通りの融資を受けにくくなることも覚悟しましょう。
5年以内に金融機関から融資を受けようと検討している場合、消費者金融の利用は避けた方がよいでしょう。
なお、消費者金融から資金調達できる金額は、所得の3分の1までです。そのため、確定申告書で赤字を計上する個人事業主は、大手消費者金融を利用できない点もご注意ください。
個人事業主が大手消費者金融を利用する場合、前年度の所得を証明する文書(例えば、確定申告書Bの写し)の提出が求められます。
前年度の収支が問題なければ、返済能力があると判断され、即日融資を受けることができます。
闇金の利用は絶対ダメ!
なかには「収支が赤字だろうが、担保も信用もなかろうが、審査なしで即日融資できます」という消費者金融があります。いわゆる「闇金」と呼ばれるものです。絶対に闇金は利用してはいけません。
個人情報の流出や、家族や友人、周囲の人を巻き込んで取り立てが行われるなど、取り返しのつかない事態を招く可能性があります。
もしそんな闇金に手を出さざるを得ない状況なのであれば、潮時だと思いましょう。さらに借金をするのではなく、税理士や弁護士などの専門家へ相談し、債務整理を行いましょう。
2.個人事業主におすすめの資金調達方法
即日融資である必要はなくても、資金調達は常に悩みの種になるもの。
個人事業主として、複数の資金調達の方法を知っておくとよいでしょう。
代表的な資金調達方法をご紹介していきますが、中でもおすすめするのは「日本政策金融公庫からの融資」です。
低金利かつ社会的な弱者を優遇する傾向があること以上に、しっかりした事業計画の提出が求められる点です。
即日融資について気になるという状況は、頭のどこに資金繰りの計画が現実的でないのでは?と不安を抱いている可能性があります。
今後の事業を考えるのであれば、自身の事業を見つめ直す意味でも「日本政策金融公庫の融資」に挑戦してみましょう。
もちろん、同じくしっかりとした事業計画が求められる「中小企業向け制度融資」でもいいですが、申し込み期間が決まっていたり、業態や属性、地域が絞られていたりすることもあるため、常時申し込みが行え、多数の融資制度を展開する「日本政策金融公庫の融資」の方を優先し、おすすめします。
日本政策金融公庫の融資
政府系の金融機関「日本政策金融公庫」による融資を受ける資金調達方法です。政府の政策を踏まえて、個人事業主や中小企業を対象に融資を行うため、低金利で有名です。
個人事業主が女性や若者、シニア、被災者などの社会的に弱い属性であれば優遇され、さらに低金利になります。
提出が求められる文書が多く、融資担当者との面談もあります。いかに入念に事前準備をするかで融資の可否が決まります。
申し込みから融資実行までに1か月はかかると見てよいでしょう。なお、金額が上がれば、審査期間が伸びます。
一回で調達できるのは最大で3,000万円までであるため、調達までにかかる手間や期間を考える場合、高額な融資を希望する場合は向きません。
中小企業向け制度融資
都道府県、市区町村の地方自治体が行う、中小企業向けの融資を受ける資金調達方法です。
目的ごとに制度融資が用意されます。目的も、融資限度額も制度融資によって異なりますが、共通して低金利です。
日本政策金融公庫と同様、提出が求められる文書が多く、融資担当者との面談もあります。
ただし、申し込みから融資実行までに3か月以上かかるケースもあり、なるべく早く資金調達したい方には日本政策金融公庫の融資の方がおすすめです。
公的融資ならではの制約も多く、調達までにかかる手間や期間を考える場合、高額な融資を希望する場合は向きません。
銀行や信用金庫などの金融機関からの融資
銀行や信用金庫などの金融機関から融資を受ける資金調達方法です。
登記簿謄本や定款、過去3期分の決算書など、企業の実態や経営状況がわかる文書の提示が求められ、融資担当者との面談もあります。
融資には、信用保証協会に保証人となって受ける「保証付融資」と、信用保証協会を利用せずに受ける「プロパー融資」の大きく2種類があります。
即日融資はできませんが、日本政策金融公庫や中小企業向け制度などの公的融資に比べれば、申し込みから融資実行まではスムーズに行われるでしょう。
銀行や信用金庫側の資金力にもよりますが、億単位の高額融資も行えます。
しかし、プロパー融資の審査は厳しいため、実績のある会社でないと融資を受けるのは現実的ではないでしょう。
ビジネスローン(無担保融資)
企業を対象とした無担保融資の資金調達方法です。
提出した決算書や確定申告書から、機械的にランク付けを行い、審査するため、面談はありません。
銀行などの金融機関が母体の「銀行系ビジネスローン」と、それ以外の業種の企業グループが母体の「ノンバンク系ビジネスローン」の大きく2種類に別れます。
銀行系ビジネスローンの場合は、即日融資は行っていないようです。
低金利な上、融資限度額が高額で、最大で1億円まで融資を受けられるものもあります。ただし、銀行系カードローンは、利用目的が事業に関するものである場合、融資を受けられないことがあるため、注意しましょう。
ノンバンク系ビジネスローンの場合、一部は即日融資もできます。しかし、金利が高く融資限度額は低いため、長期利用には向きません。
消費者金融系カードローン(キャッシング)
前でもご紹介した通り、高金利で調達できる金額も低いですが、即日融資が行える資金調達方法です。
前年度の収支が問題なく、所得を証明する文書があれば利用できます。
ATMですぐに引き出せる便利さ、初回利用であれば無利息期間があるなどのメリットがありますが、5年間、信用情報に影響するのがデメリットです。
クラウドファンディング(Crowdfunding)
クラウドファンディングサービス業者の運営するウェブサイトを経由し、世界中の個人からお金を集める資金調達方法です。
寄付型、購入型、貸付(融資)型・ファンド型・株式型と種類がありますが、一般的な個人事業主が資金調達として使うのであれば貸付(融資)型です。
貸付(融資)型のクラウドファンディングは、ソーシャルレンディング(Social Lending)とも呼ばれ、事業が成功した段階で資金とそれまでの金利を支払う形式を多く採用しています。
また、新事業が失敗した場合は資金を返済しない、あるいは一部の資金のみ返済する、という返済条件をつけられるケースもあります。
少額でも高額でも幅広く、自身の望む期日で融資を受けられる強みがあります。
ただし、貸付(融資)型のクラウドファンディングの場合、利用者のほとんどは目利きの投資家であるため、事業計画が見込みのあるものでなければ、そもそも資金調達が成功しないリスクがあります。
また、事業計画を不特定多数に公開するため、ビジネスモデル頼みの事業であれば、盗用されるリスクもあります。
ファクタリング(Factoring)
ファクタリングは、売掛金の債権を金融サービス業者に譲渡し、売掛金を資金化することを指します。ケースによっては即日現金化が可能です。
ファクタリングにはサービス手数料を支払うため、当然、その分、回収できるはずの売掛金より金額が少なくなります。
融資という借入の形ではないため、ファクタリングを利用しても借入として計上をしなくても済むメリットがあります。
ただし、自身の企業と売掛先の企業、ファクタリングの金融サービス業者での三社間の取引になると、交渉や手続きに手間がかかる、というコストやリスクもあります。その他登記や関係者への承諾が必要だったり、比較的新しい概念であるために悪徳業者に騙されるトラブルもあったりするため、まず経験や知識のない方にはおすすめしません。
まとめ
個人事業主が即日融資で資金調達する方法と、おすすめの資金調達方法を見てきました。
個人事業主が即日融資で資金調達するには、大手消費者金融のカードローン(キャッシング)の利用がひとつの方法として挙げられます。
初回利用なら無利息期間があるなどメリットもありますが、カードローンを利用することで5年間信用情報に影響することは押さえておきましょう。
個人事業主の方におすすめする資金調達方法は「日本政策金融公庫の融資」です。低金利かつ社会的な弱者を優遇する傾向があるメリット以上に、しっかりした事業計画の提出が求められるため、自身の事業を見つめ直すことができます。
今後の事業を本当に考えるのであれば、ぜひ日本政策金融公庫の融資に挑戦してみましょう。