会社の規模や経営スタイルに合わせた「最適な経理」をしていくことが、結果的に会社の成長に繋がっていきます。
しかし、どのような経理スタイルが自分の会社にマッチしているのか、悩んでいる経営者の方もなかにはいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、中小企業をタイプ別に分け、それぞれに合った経理スタイルをご紹介します。
1.あなたの会社にマッチする経理スタイルは?
中小企業といっても、最適な経理は会社によって千差万別です。
ご自身の会社がどのタイプに当てはまるか、見ていきましょう。
まずは企業の「規模」と「経営方針」を2つのタイプに分けます。
●規模 ・・・「創業レベル」
「組織完成レベル」
●経営方針・・・「安定志向」
「拡大志向」
次に「規模」と「経営方針」をそれぞれ組み合わせ、4つのタイプに分類します。
(1)Type1 スタートアップ型
創業したばかりの会社は、この「スタートアップ型」に該当します。
まずは事業を安定させることが最優先ですので、本業に集中することが求められます。
会計処理に時間を取られてしまい、ビジネスがおろそかになってしまっては本末転倒です。
よって理想的な経理スタイルは、会計事務所への丸投げです。いわゆるアウトソーシングですね。
会計事務所を活用する際は、経理指導と創業融資をお願いしましょう。
創業した段階では、社長個人のお金と会社のお金の区別があいまいなケースもあります。
現金の扱い方はもちろん、経費の取扱いなど基本的な経理指導を最初に受けることで、経理について正しく理解することが大切です。
また、創業時は融資が受けやすいタイミングでもあります。
会計事務所のサポートを受けて融資を成功させ、事業を軌道に乗せましょう。
創業して間もない方が利用できる日本政策金融公庫の新創業融資制度について、以下の記事で解説していますのでご参照ください。
(2)Type2 現在目線型
「現在目線型」は、社長自身が将来どのような会社にしたいのか、どのような経営者になりたいのか漠然としており、目の前のビジネスに無我夢中で取り組んでいる状態です。
経理担当者がいたとしても総務や人事など他の業務と兼務している場合が多く、事務レベルであることがほとんどです。
このような会社は、納品書や請求書、領収書などの作成や保管は自社で実施し、記帳代行を会計事務所に依頼する経理スタイルが良いでしょう。
その際、決算対策をしっかりとやってくれる会計事務所を選ぶことが重要です。
年間を通してスケジュールを組んでもらい、期限間際になって慌てずに済むよう、スムーズな申告・納税ができるようにお願いしましょう。
また、税務調査対策もお願いしておくことをおすすめします。
(3)Type3 夢先行型
創業から間もない会社であっても、すでに近未来の目標が定まっており前向きに事業を進めているタイプが「夢先行型」に当てはまります。
経理の知識が備わった社員を雇用できるレベルに達しているケースが多いです。
この場合、会計数字をすぐに経営に活かせるように会計ソフトを使って自社で入力するのが良いでしょう。
自社で対応するために会計ソフトの活用指導を会計事務所にお願いし、目標達成のための経営計画の策定をサポートしてもらいましょう。
資金調達の指導も必要不可欠です。
(4)Type4 未来上昇型
「未来上昇型」は、ある程度の規模まで成長した会社になります。
上場しようという目標を掲げている会社もなかにはあるでしょう。
経理スタイルは、自社の経理部を機能させ、決算書作成は自社で完結。税務申告は会計事務所に頼むパターンが最適です。
このレベルまで会社が成長したら、会計事務所には経営計画策定支援などの各種コンサルティングや上場支援などもお願いすると良いでしょう。
また、税理士だけでなく弁護士や社会保険労務士など、他の士業を紹介してもらえるネットワーク作りも期待できます。
まとめ
あなたの会社のタイプはどこに当てはまったでしょうか。
タイプに合った経理スタイルを実施し、ニーズに応じて会計事務所を上手に活用しましょう。