事業資金の借入時や住宅ローンの申請時に、確定申告書の控えが必要になります。
いざ、必要な場面になった時に確定申告書の控えがないことに気が付き、焦っている人もいるのではないでしょうか?
確定申告書の再発行は、税務署に問い合わせるか、e-Taxソフトから印刷することで可能になります。
当記事では、確定申告書の控えを再発行する際に必要なものと手順について解説します。
確定申告書の再発行は1カ月・閲覧だけなら当日中にできる
確定申告書は閲覧するだけなら申請の当日にできます。控えを再発行するには1か月かかるほか、当日に見れる書類はスマートフォンやデジタルカメラで写真を取れるので、控えの書類が必要でないなら閲覧だけで済ますと良いでしょう。
ただし、閲覧では動画撮影をすることができないことと、収受日付印・氏名・住所等は隠して撮影することになるので、収受日付を控えたい場合は引き続き書き写しが必要です。 また、撮影した画像データを所得証明のために使用することはできないので、証明書類として確定申告書が必要な場合は再発行の手続きをしてください。
また、委任状による代理人が閲覧する場合は、委任状に写真撮影を希望する記載がある場合、または未記載であっても窓口担当者が委任者本人へ電話し、写真撮影を希望する旨の確認を得た時は撮影が可能になります。
ただし、動画撮影をすることができないことと、収受日付印・氏名・住所等は隠して撮影することになるので、収受日付を控えたい場合は引き続き書き写しが必要です。 さらに、撮影した画像データを所得証明のために使用することはできません。改正前と改正後を詳しく確認したい人は、国税庁のホームページより申告書等閲覧サービスの実施についてから確認してみましょう。
閲覧申請に必要なもの
確定申告書の閲覧を希望する場合には、手続きをした税務署で申請書等閲覧申請書を提出しましょう。申請書等閲覧申請書は税務署に置いてあるので準備は必要ありませんが、閲覧申請をするには他に次のようなものが必要になります。
に必要なものは、納税者本人と代理人の場合で異なります。申告書等閲覧申請書 |
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本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど) |
印鑑 |
印鑑は必ず使用するものではありませんが、窓口で「申告書等閲覧申請書」を作成する場合や、事前に書いてきた内容に不備があった場合に必要になるので、念のため持っていきましょう。
確定申告書の再発行の手順
確定申告書の控えを再発行するには、確定申告を行った税務署の窓口か郵送で開示請求をする必要があります。
確定申告書の控えを再発行する手順は次の通りになります。
必要なものの準備 |
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↓ |
再発行の申請 |
↓ |
確定申告書の控えの受取 |
控えが今すぐ欲しいとなっても、再発行には約1カ月はかかってしまうので、手元に無いことに気づき次第なるべく早く行動しましょう。
それぞれ、見ていきましょう。必要なものの準備
確定申告書の控えを再発行する際に必要な書類は、確定申告をした税務署の「窓口」で手続きをする場合と、「郵送」で手続きをする場合で異なります。 また、「窓口」で手続きをする際は、自分で行うか代理人に任せるかによっても必要な書類が異なります。
それぞれの必要なものは次の通りです。
・窓口(自分で手続きを行う場合)
保有個人情報開示請求書 |
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身分証明書(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど) |
・窓口(代理人が手続きを行う場合)
保有個人情報開示請求書 |
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身分証明書(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど) |
開示請求の委任状 |
代理人の本人確認書類 |
委任者の印鑑登録証明書(請求日の前30日以内に作成されたもの) |
・郵送
保有個人情報開示請求書 |
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身分証明書(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど) |
住民票(コピー不可/請求日の前30日以内に発行されたもの) |
収入印紙(300円) |
郵送で手続きをする場合は、事前に収入印紙を貼り付けることが必要になります。 一方でただし、窓口で手続きをする場合は、その場で現金支払い(300円)をすればいいので収入印紙を事前に張り付けておく必要はありません空欄のままでも大丈夫です。
再発行の申請
必要なものを準備したら、確定申告をした税務署の窓口か郵送で申請をしましょう。
申請をする際は、保有個人情報が記載されている行政文書1件につき300円の手数料がかかります。
たと例えば、令和元年分と令和2年分の開示請求を同時にしても、保有個人情報が記載されている行政文書が2件なので、合計600円かかります。
税務署で申請が完了しても、その場で確定申告の控えを受け取れるわけではないので、を終えたら、「決定通知」が自宅に届くのを待ちましょう。
確定申告書の控えの受取
申請が完了しても、その場で確定申告書の控えを受け取れるわけではありません。 申請をしてから、約2週間~1カ月後に「保有個人情報の開示をする旨の決定について」という書類が税務署から届きます。 書類が届いたら税務署の窓口へ再度向かうか、郵送で提出しましょう。
窓口で控えを受け取る際に必要なものは次の通りです。
保有個人情報の開示の実施方法等申出書 |
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身分証明書(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど) |
印鑑(念のため持っていきましょう) |
「保有個人情報の開示の実施方法等申出書」の書き方が分からない場合は、空欄のまま持っていけば、税務署の方が教えてくれるので、そのまま持っていきましょう。
郵送で提出する場合は、申出書と一緒に郵送料分の切手を貼った返信用封筒を、送付先を記載したうえで同封しましょう。 速達や、簡易書留郵便などを使用する場合は別途相応の料金の切手を貼る必要があります。
e-taxを使用している場合の手順
確定申告にe-taxを用いている場合、「控え」というものは存在せず、確定申告書のデータを送信した後の「申告データ」と「受信通知データ」が代わりとなります。 これらをプリントアウトするしておくことで、控えと同様に利用することができます。
申告データの印刷方法 受信通知の受信データ(XML)の「帳票表示」を選択 ↓ 表示したい帳票を選択し、「帳票表示」を選択 ↓ 「はい」を選択 ↓ 個人番号の印刷設定を行い、「OK」を選択 ↓ PDFの作成が完了したら、「表示」を選択 ↓ PDF形式で帳票が表示されるので、印刷をする申告データと受信通知データは、e-taxのサイト上にあるe-taxソフトから印刷が可能です。 画面移動の内容も載っている「e-Taxソフト(WEB版)についてよくある質問」があるので、詳しく知りたい人はこちらを参考にしましょう。
受信通知データの印刷方法について、画面の内容も載っているものがあるので、詳しく知りたい人はこちらを参考にしましょう。
控えが必要になる場面
確定申告書の控えはさまざまな場面で必要になります。 主に必要になる場面は次の通りです。
●融資を受ける
融資を受けるとき、確定申告書の控えが必要になります。
事業性の融資はもちろん、ローンを組む時は融資を受ける必要があります。 融資を受ける際、銀行側は融資が可能か、いくらまでなら融資できるかを判断するために収入を証明できる書類を見て判断します。 そのため、収入を証明する書類として、確定申告書の控えが必要になります。
●子供を保育園に入園させる
子どもを保育園に入園させる時、確定申告書の控えが必要になります。
保育園の保育料というのは、親の所得税額によって決まります。 そのため、所得税額を確認するためにのに必要になるのが、確定申告書の控えになるためが必要になりますです。
●奨学金を受ける
奨学金を申請するとき、確定申告書の控えが必要になります。
奨学金を申請する際に、本当に奨学金が必要な学生なのか、修学困難かを奨学金の組織が見極めるために、確定申告書の控えが必要になります。
これらの場面以外にも確定申告書の控えが必要になる場面はあるので、いざというときのために控えは必ず持っておくようにしましょう。
まとめ
確定申告書の控えを再発行するには時間がかかります。 まずは、現在控えが必要な状況なのかを把握し、必要であればすぐに再発行の手続きをしましょう。
また、今回は再発行が必要なかった場合でも、今後必要になる場面がくるかもしれないので、控えはを捨てることなく大切に保管しましょう。