ファクタリングは、銀行融資やビジネスローンなどと比較すると早期に資金調達を行うことが可能です。そのため、利用できるのであれば資金繰りの改善策として前向きに検討したいという個人事業主もいるでしょう。
当記事では、個人事業主でもファクタリングは利用できるのかを解説します。個人事業主が利用しやすいファクタリング会社や利用する際の必要書類についても紹介しているので、ファクタリングの利用を検討している人は参考にしてみてください。
個人事業主でも一定の条件に該当していれば利用できる
ファクタリングは、売掛債権を売却(譲渡)して現金化を行う資金調達方法であるため、売掛債権を保有している事業者であれば法人、個人を問わず利用することができます。ただし、個人事業主の利用にあたっては一定の条件が設けられているため、利用できるのは条件に該当した場合に限ります。
<個人事業主が利用する際に設けられている条件>
・売掛債権が確定債権あるいは将来債権であること
・売掛先が法人や公的機関であること
・税務署への開業届の提出や確定申告が済んでいること
ここに挙げた条件はあくまでも一例ですが、自身が利用対象者となり得る個人事業主であるのかを確認するためにも、ファクタリングを利用する際に満たすべき条件についておさえておきましょう。
売掛債権が確定債権あるいは将来債権であること
ファクタリングを利用できるのは、確定債権あるいは将来債権に該当する売掛債権を保有している場合に限ります。
確定債権とは、売掛金の金額や支払期日が確定し売掛先に支払の同意を得ている債権のことで、修正や返品が生じる可能性のないものをいいます。
将来債権とは、売掛金の請求はしていないものの、継続的な取引において将来発生する予定の債権をいいます。
ファクタリングの利用を検討した際に、確定債権または将来債権に該当する売掛債権を保有していれば個人事業主でも利用することが可能です。
支払期日の過ぎている不良債権や、相殺が行われる可能性のある反対債権は買取不可であるため、注意をしましょう。
売掛先が法人や公的機関であること
売掛先が法人公的機関であれば利用できるという、売掛債権の請求元を限定する条件が設けられている場合があります。
売掛先を法人や公的機関と限定する理由に、未回収リスクの低さが挙げられます。法人や公的機関は、企業実態が明確であり持続的な経済力を有しているため、架空債権である可能性や貸倒れなどにより未回収となる可能性が低いと考えられているためです。
売掛先が個人事業主の売掛債権しかない場合は、売掛債権の請求元を限定していないファクタリング会社の利用を検討すると良いでしょう。
税務署への開業届の提出や確定申告が済んでいること
事業状況を限定する条件が設けられている場合があります。事業実態や事業状況を確認するために、開業届や確定申告書の控えの提出が必要となることがあります。
開業届や確定申告書の控えを求める背景には、利用者の信用力の確認が挙げられます。
開業届は提出していなくても事業をおこなうことができますが、ファクタリングを利用する場合には、開業届や確定申告が求められることがあります。もし、届出を行っていない場合や決算を迎えていないという場合には、これらを必須条件としないファクタリング会社を選ぶと良いでしょう。
個人事業主でも利用しやすいファクタリング会社を紹介
個人事業主の利用に対する条件はファクタリング会社によって異なるため、売掛先や事業状況が該当しない場合であっても利用できる可能性があります。ここでは、個人事業主でも利用しやすい条件を設けているファクタリング会社をいくつか紹介します。
売掛先が個人事業主でも利用できるファクタリング会社
売掛先が個人事業主であっても、ペイトナーファクタリングであれば利用できる可能性があります。ペイトナーファクタリングは、フリーランスや個人事業主向けのサービスで、少額の売掛債権の買取にも対応しています。
<詳細>
会社名 |
必要書類 |
サービス内容 |
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<契約形態> <手数料> <買取可能金額> <利用方法> |
開業届がなくても利用できるファクタリング会社
開業届の手続きを行っていない場合や紛失などにより手元にない場合であっても、日本中小企業金融サポート機構、ビートレーディングであれば利用できる可能性があります。ただし、双方ともに売掛先が法人であることを条件としているため注意しましょう。
<詳細>
会社名 |
必要書類 |
サービス内容 |
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<契約形態> <手数料> <買取可能金額> <利用方法> |
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<契約形態> <手数料> <買取可能金額> <利用方法> |
売掛債権が少額でも利用できるファクタリング会社
ファクタリング会社の中には、買取可能金額に下限や上限を定めているところがあり、少額すぎると利用できない場合があります。売掛債権が少額傾向にある個人事業主であっても、ラボル、フリーナンス、QuQuMo(ククモ)であれば利用できる可能性があります。
<詳細>
会社名 |
必要書類 |
サービス内容 |
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<契約形態> <手数料> <買取可能金額> <利用方法> |
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<契約形態> <手数料> <買取可能金額> <利用方法> |
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<契約形態> <手数料> <買取可能金額> <利用方法> |
一方で、他の条件を満たす必要があるため注意が必要です。詳細な情報については、各ファクタリング会社ホームページの「よくある質問」から確認をすることができるので、参考にしてみてください。
条件に該当することが確認できたら申込に向けて必要書類の準備を行う
ファクタリングの申込を行う際には、ファクタリング会社が指定する必要書類を提出します。利用時の条件に該当することが確認できたら、申込に向けて必要書類の準備を行いましょう。
<ファクタリング利用時に求められる必要書類>
・売掛金の発生を証明できる書類(請求書等)
・売掛先からの入金を確認できる書類(通帳コピー等)
・売掛先との取引が確認できる書類(基本契約書等)
・利用者の本人確認ができる書類(身分証明書や印鑑証明書等)
・利用者の信用力が証明できる書類(開業届や決算書等)
ここに挙げた書類は、ファクタリング利用時に求められる可能性が高い必要書類です。提出が必要な書類はファクタリング会社によって異なるため、申込を行うファクタリング会社のホームページ等で事前に確認をし準備を行いましょう。
なお、それぞれの書類に関する詳しい説明については、ファクタリング利用時に求められる必要書類の種類と取得方法を解説を参考にしてみてください。
まとめ
個人事業主がファクタリングを利用できるのは、ファクタリング会社の定める一定の条件に該当した場合に限ります。買取可能な売掛債権であることや売掛先が法人や公的機関であることなどの条件を満たすことができれば利用することが可能です。
一方で、条件はファクタリング会社によって異なるため、上記の条件に該当せずとも利用できる可能性があります。個人事業主が保有している傾向の多い個人間の売掛債権や少額の売掛債権を売却できる会社もあるので、条件を満たすことができるファクタリング会社を選ぶとよいでしょう。
ファクタリング会社の条件に該当することが確認出来たら、申込に向けて必要書類の準備を行います。申込に必要な書類についてもファクタリング会社ごとに異なるため、利用を希望するファクタリング会社のホームページ等から確認をしましょう。