法人成りをした際に出す挨拶状で守るべきマナーと例文

カテゴリー 会社設立

個人事業主からめでたく法人成りをしたときは、取引先の会社やお世話になった方などへの報告は欠かせません。その際によく用いられるのが「挨拶状」です。

法人成りの挨拶状を出すことは単なる礼儀的な意味以上に、新しく設立した法人がこの先どのような事業を行っていくのかという意思表明をする場にもなります。意思表明をすることで、この先事業を行っていくうえで有効な宣伝広告効果も期待できるのです。

しかし、挨拶状には守らなければならないマナーがいくつかあります。マナーを理解せずに挨拶状を出してしまうと、受け取った相手が不快に感じマイナスの効果を与えてしまいかねないので注意が必要です。

そこで今回は法人成りをして挨拶状を出す際に意識するべきマナーと例文についてお話しします。

1.法人成りの挨拶状とは

法人成りの挨拶状とは、会社が法人化したことを取引先や協力会社、お客さんに対して「お知らせ」する手紙のことです。

(1)挨拶状を送る目的

挨拶状を送る意味としては以下のものが挙げられます。

・これまで取引を行っていた取引先やまったく別の会社に、法人成りして新たに開業したことを認知してもらえる

・会社を宣伝する際の効率的な手段となる

・会社の想いを伝えることで、今後の円滑な人間関係に結びつく

・日頃の感謝の気持ちを伝えられる

2.法人成りの挨拶状を送るタイミング

では、挨拶状を送る適切なタイミングはいつでしょうか?

会社の設立前? それとも法人成りした後?

「どちらでもいいじゃないか」と思われている方は注意しましょう。挨拶状を送るタイミングによっては、相手はあなたに軽視されていると感じてしまうかもしれません。

(1)挨拶状は法人成りをする前に送る

法人成りをしたことを報告する挨拶状を送るのに適したタイミングは会社設立の1か月前、遅くても2週間前とされています。

というのも個人事業主から法人に変わった場合、これまで取引を行っていた会社と契約締結のやり直しなどの手続きが必要となることがあるためです。

法人成りする直前に送ってしまうと、相手方としてもバタバタとしてしまい、配慮が足りないと受け取られてしまうでしょう。

また、早めに挨拶状を送ることで、挨拶状を受け取った側も十分に会社設立を祝う準備を行う時間を取ることが出来ます。

(2)法人成り後に挨拶状を送ることはNG

くれぐれも気をつけなくてはいけないのは、法人成りをしたあとに挨拶状を出すことです。挨拶状は会社と会社との関係を築いていくうえで非常に大切なもの。

もし法人成りをした後に挨拶状を出せば、自分たちはそれほど重要視されていないという印象を相手方に与えてしまい、不快感を与えてしまいかねません。

3.法人成りの挨拶状は自分で作成する? 業者に依頼する?

挨拶状は自分で作るべきでしょうか。それとも業者に依頼しても構わないのでしょうか。

挨拶状の作成についてはどちらを用いてもマナー違反にはなりません。ただしそれぞれに特徴があるので、どちらが自分に合っているのかで選ぶようにしましょう。

(1)自分で作る場合

①手間暇を掛けるので、相手に思いが伝わりやすい

業者に依頼した場合、自分で考えた挨拶文を印刷することも可能ですが、多くの場合、既存のテンプレートから選ぶことになるでしょう。テンプレートの文章は定型文なので、オリジナリティがありません。

一方、自身で挨拶状を作成した場合には、自分の言葉で法人成りの挨拶を伝えることができますので、相手への感謝もより伝わる気がしますよね。

また、受け取った方もわざわざ作成する手間をかけてくれたことに悪い気はしないはずです。

②コストが安く済む一方で、作成する手間はかかる

はがき代や封筒代、印刷代、切手代(手書きの場合印刷代もかからない)だけで済むので、コストは抑えられます。

ただし、挨拶状を送る枚数が多い場合、手書きや印刷などに手間がかかるので注意しましょう。

③マナーを守って挨拶状を作成できているか確認が必要

マナーをしっかり守って挨拶状を作成する必要があります。

マナーを理解せずに挨拶状を出してしまうと、受け取った相手が不快に感じてしまうケースもあります。最悪の場合、今後の関係にヒビが入ってしまうことも考えられますので自分で挨拶状を作成する場合には、マナーを守れているか必ず確認をしましょう。

法人成りのマナーについては、このあとの章で詳しく解説していますので参照してください。

(2)業者に依頼する場合

①時間に余裕がない時でもクオリティの高い挨拶状が送れる

自身で作成したいけど、法人成りしたばかりでいろいろと忙しければ挨拶状まで気が回らないこともあります。また、自身で作成する場合はまとまった、言ってしまえば少し味気ない挨拶状になってしまうかもしれません。

上品さなど挨拶状の見た目にもこだわりたい場合は専門の業者に依頼するといいでしょう。

様々なタイプ・デザインの挨拶状を用意している業者もあり、あなたの感謝を存分に相手に伝えられる挨拶状が見つけられるはずです。

②手間がかからず、たくさん挨拶状を送る場合は効率的

コストはかかりますが、挨拶状を作成する手間はかかりません。

業者によっては宛名印刷や切手貼り、投函作業を行ってくれるサービスもあるため、挨拶状を出す枚数が多い場合は便利です。

③マナーを心配する必要がない

業者が用意しているテンプレートを利用することで、マナーについて詳しくない場合でも挨拶状の書き方や記載する内容などのマナーを守った挨拶状が送れるので安心です。

4.法人成りの挨拶状のマナー

挨拶状には送り方と書き方に守らなければならないマナーがあります。

(1)送り方のマナー

①メールではなく郵送する

人によってはメールで簡単に済まされたと感じ、反感を買ってしまう恐れがあるためメールは避け、挨拶状は郵送で送るようにしましょう。

②はがきではなく、封筒に入れる

はがきで挨拶状を送る場合、封筒に挨拶状を入れて送る場合と比べてコストが安く済みます。

【はがきで挨拶状を送る場合】

はがきの値段1枚当たり…通常はがき63円

【封筒に挨拶状を入れて送る場合】

封筒の値段1枚当たり…84円程度

挨拶状の用紙の値段1枚当たり:ケント紙…98円~140円程度

大礼紙…138円~170円程度

切手の値段…84円

合計コスト…270円~340円程度

しかし、はがきで送ってしまうと簡単に済ましたような印象を与え、相手方に軽視されたと思われてしまうかもしれないため、多少コストがかかったとしても挨拶状は封筒に入れて送ると良いでしょう。

③切手は普通のものを利用してOK

切手には折鶴や扇など様々なデザインがあるのをご存じでしょうか。これらは主に祝い事を伝える手紙を送る際に利用されるものです。

法人成りをして会社を設立することは確かに祝い事ですから、めでたい絵柄の切手を使うべきかもしれないと思うかもしれませんが、法人成りをする際に出す挨拶状はあくまで法人成りをしたことを知らせるためのものです。

自ら祝い事の切手を用いてしまえば自慢をしているという印象を与えてしまいかねないので、あえて特別な切手を使用する必要はありません。

④切手を貼る位置

切手位置は封筒がタテ書きの場合は左上、ヨコ書きの場合は右上に貼ります。タテ書きの場合は通常のはがきを出す際と同じで、特に問題はないでしょう。

しかし、ヨコ書きの場合にもタテ書きの時と同じように左上に切手を貼ってしまうミスをされる方は、皆さんが考えるよりも多くいます。

どちらでも問題ないんじゃない? と思われる方もいるかもしれませんが、切手を貼る位置には大きな意味があります。最大の理由ははがきや封筒は原則機械で仕分けをしており、仕分けの基準となるのが切手の位置だからです。そのため切手の位置が間違っていれば正しく仕分けをしてもらうことが出来ない可能性があります。

また、挨拶状を受け取った相手方からも切手の貼り位置も知らないのか、と思われてしまうかもしれません。

たかが切手、されど切手。

せっかく送った挨拶状で恥をかかないためにも、切手の貼り位置にも気を付けましょう。

⑤封筒への入れ方

封筒への入れ方に厳格な決まりはありませんが、基本的なルールが3つあります。

封筒に入れるカードや用紙によって異なりますので、参考にしてください。

【2つ折りカード/3つ折りカード/4つ折りカード/単カードの場合】

封筒の表面(宛名面)とカードの表面(単カードの場合は印字面)を揃えて封入します。

 

郵送ではなく、直接手渡しする場合には、取り出したときにに挨拶状の文面が見えるよう、カードの表面を裏向きに封入します。

 

【折り目を付けるカードの場合】

カードを折り曲げる際は印刷面を内側に向けます。

また、カードを折りやすいように折りすじを入れます。

 

【3つ折り/4つ折りカードの折り方】

3つ折りカードの時は左を先に、本文の先頭ページを上にして折ります。

4つ折りカードの時は観音開きの折りとなるようにします。

 

【A4シートの場合】

文面が内側になるように、3つ折にします。このとき、文面の上側が3つ折りの上になるようにしましょう。

(2)書き方のマナー

①宛名

「御中」と「様」の使い分けをしっかりとしましょう。

どちらも相手に敬意を表するものではありますが、「御中」は送り先の個人が不明な場合に組織全体に対して送るものであるのに対して、「様」は個人を特定して敬意を表するものです。そのため、すでに取引を行っていて、相手方と面識のある場合に「御中」を用いることは誤りです。

時に「○○株式会社 御中 代表取締役 ○○様」と2つを併用している例を見受けますが、正しくは「○○株式会社 代表取締役 ○○様」とするようにしましょう。

②住所・日付・差出人の記載

住所・日付・差出人の3項目はタテ書きの場合は封筒中央の合わせ目に合わせてまとめるか、左側に寄せて書き、ヨコ書きの場合は封を閉じたすぐ下側中央に記載します。

住所は法人成りをして住所を移転している場合、移転日の前に送る挨拶状では旧住所で記載し、移転後に送る挨拶状では新住所で記載します。

日付はタテ書きの場合は漢数字で、ヨコ書きの場合は算用数字を用いて記載しましょう。

差出人は法人として挨拶状を送る場合でも会社名だけを記すのではなく、責任者の名前を明記するようにします。

③頭語・結語・時候の挨拶を付ける

頭語や結語を付けることは、相手方に対して敬意を表すためのものです。

メールなどでは使うことはありませんが、手紙などでは重要な要素です。また、時候の挨拶はその季節に合わせて相手の健康を気遣う意味も持っています。

つまり頭語・結語・時候の挨拶の中には相手方への敬意と気遣いが込められているということです。そのため堅苦しく感じても、挨拶状では形式を守って記載することが大切です。

④句読点は付けない

現在、皆さんが文章を書く際は句読点を付けることが一般的でしょう。なぜなら句読点を付けることで読みやすくなるからです。

しかし昔の日本では句読点をつける文章は識字率の低い、“学”のない人向けとされていました。手紙などにおいてはその文化がいまだに残っているため、句読点を付けることは相手に“学”がないと言っているようなものであり、失礼になってしまいます。そのため手紙などでは句読点を付けることは望ましくありません。読みやすい文章にする際は適切に改行をすることをおすすめします。

(3)書き方のポイント

①感謝を伝える

挨拶状で伝えるべきことは個人事業から法人成りをして新たに会社を設立したという事実ですが、そこまで至ることが出来たのはあなたと取引を行ってきた取引会社の方や関わって来てくれた人々がいるからです。そういう方々に対する感謝を伝える文章にしましょう。

②設立した会社の詳細を記載する

挨拶状では新しく設立した会社がどのような会社なのか、簡潔に記載します。記載する内容は以下の通りです。

会社名

代表取締役名

住所

電話番号

業務内容

所在地図

Eメールアドレス

ホームページアドレス

③会社設立の志やPRポイントを記載する

挨拶状にはなぜ個人事業から法人成りをしたのか、その動機を記載します。また、設立した会社のアピールポイントも併せて伝えておきましょう。そうすることで、挨拶状を受け取った相手方に対して非常に効果的な宣伝広告となります。

ただし、だらだらと長く書くのではなく、簡潔にまとめることを意識してください。

5.法人成りの挨拶状の構成

最終的な法人成りの挨拶状の完成イメージの構成は主に以下のようになっています。

①前文

・頭語

・時候の挨拶

・相手の安否を気遣う挨拶

②主文

・会社設立の報告

・相手方への感謝

・ご厚誼のお願い

・これからの展望

③末文

結びの挨拶

結語

④日付

縦書きの場合は漢数字、横書きの場合は算数字で記載します。

⑤署名

差出人の名前と会社名を記載します。

⑥別記

会社名

代表取締役名

住所

電話番号

業務内容

所在地図

Eメールアドレス

ホームページアドレス

を記載します。

6.法人成りの挨拶状の例文

法人成りをした際の挨拶状の例を以下にご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

謹啓

桜花爛漫の候 貴社におかれましてはますます輝かしい春をお迎えのことと存じます

平素は格別のご高配を賜り深謝申し上げます

さて かねてより新会社の設立に向け準備を進めてまいりましたが

この度無事に下記の会社を発足する運びと相成りました

これもひとえに皆様の温かい支援の賜物であり、心より感謝申し上げます

今後、皆様の支援に応えていくべく ○○業界の新たな価値の創出に向けて一層の努力をしていく所存です

何卒 変わらないご指導ご協力のほどをよろしくお願い申し上げます

まずは略儀ながら書中を持ちましてご挨拶とさせていただきます

謹白

令和〇年〇月吉日

△△△社

代表取締役 法人成行

 

設立する会社の名称 株式会社△△△△

住所 東京都□□区3-2-1

電話番号 ×××-×××-×××

業務内容 ○○○○○○○○

メールアドレス houjin-nari@××××.jp

ホームページアドレス https://homehoujinnari-dummy.jp

 

以上

7.挨拶状を送った後、お祝いが届いたら?

法人成りをした際に挨拶状を送ると、会社設立当日にお花などが届くケースがあります。その場合はお祝いされて終わりにするのではなく、お祝いが届いた当日、遅くても翌日にはお礼の電話を入れるようにしましょう。

まとめ

法人成りをした際に取引先やお客さんに送る挨拶状は、ただの報告以上に新しく設立した会社の宣伝広告になります。

マナーを守った挨拶状を送ることで、取引先やお客さんとの関係をさらに良好にすることが出来ます。

新しい会社が勢いよくスタートを切れるように、法人成りをした際は挨拶状にも気を配りましょう。

この記事を書いたライター

ソラボ編集部

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