合同会社を設立するには、必要書類を用意し、指定された書き方に沿って書類作成を進めていきます。
完成した書類を法務局に提出し、不備が無ければ晴れて合同会社が設立できます。
しかし、合同会社を設立しようにも、どこで書類を手に入れればいいのかわからないという人や、そもそも必要な書類の種類がわからないという人もいるのではないでしょうか。当記事では必要な書類はどこで手に入るのか、どこに提出すればいいのか、そもそも必要な書類は何なのかを解説します。
法人設立ワンストップサービスを使うと必要書類が分かる
デジタル庁が運営している、法人設立ワンストップサービスを利用すると、必要な書類が分かります。
また、マイナンバーカードを持っている人は、会社設立の関連手続きをオンラインで行うことができ、今までのように各機関へ出向いたり郵便を待ったりする必要がなくなります。
マイナンバーカードを持っていない人でも、かんたん問診の質問に答えることで必要な手続きがリストアップされるので、自社に必要な手続きを確認しましょう。
合同会社設立の登記に必要な書類の記載例と入手先
合同会社設立の登記に必要になる書類は次の表になります。
書類名 | 提出義務 | 入手先 |
---|---|---|
合同会社設立登記申請書 | 必須 | 自分で作成 |
登録免許税納付用台紙 | 必須 | 法務局またはA4かB5の白のコピー用紙 |
登記用紙と同一の用紙 | 必須 | 自分で作成(CD-RやFD) |
定款(会社保存用と法務局提出用) | 必須 | 自分で作成 |
代表社員の印鑑証明書 | 必須 | 役所かコンビニで取得 |
資本金の払込証明書 | 必須 | 自分で作成 |
印鑑届書 | 必須 | 法務局のHPでダウンロード |
代表社員就任承諾書 | 場合による | 自分で作成 |
本店所在地及び資本金決定書 | 場合による | 自分で作成 |
資本金の額の計上に関する証明書 | 場合による | 自分で作成 |
財産引継書 | 場合による | 自分で作成 |
それぞれの記載方法は法務局公式サイトにあります。 法務局が提供している、必要書類のWordファイルもあるので、不安な人はWordファイルを軸に書き加えましょう。 表に載っている書類名にURLが貼っていないものの記載例は、法務局公式サイトの「合同会社設立登記申請書」のページにあります。
財産引継書の例は株式会社の例になっていますが、合同会社であっても株式の記載がなくなるだけで、書き方は変わりません。 登記書類はすべてA4サイズの書類で統一し、内容をよく確認した上で、間違えのないようにしましょう。
登録免許税納付用台紙に貼る収入印紙は資本金の額によって値段が変わる
登録免許税納付用台紙に貼る収入印紙は資本金の額によって値段が変わります。
合同会社を設立する場合、登録免許税で納める金額は、合同会社設立時の資本金の0.7%か6万円のいずれか大きい方になります。
例えば、合同会社設立時の資本金が700万円の場合、0.7%は4.9万円になり、6万円の方が大きいので、この時の登録免許税は6万円になります。
収入印紙は、郵便局や法務局の窓口で購入することができるので、自分の登録免許税を確認して購入しましょう。
払込証明書は通帳のコピーも必要
資本金の払込証明書は通帳のコピーも必要になります。
通帳のコピーは表紙、裏表紙、振込のページをコピー用紙に1枚ずつコピーします。 払込証明書と通帳のコピーを綴じるときは、払込証明書が表紙になるように綴じます。
なお、資本金としての振込かどうか判断できない場合は、振込をやり直さないとならなくなるので、振込の際は誰が振り込んだかわかるようにすることと、定款認証完了日以降に振り込むことを確認しておきましょう。
定款の作成方法
定款とは、社団法人の目的や活動に関する規則のことで、合同会社を設立して登記をする時には必須の書類になります。
定款を作成するときに記載しなければならない事項は定められています。
【定款の記載事項】
- 表紙
- 商号
- 事業の目的
- 本店の所在地
- 社員及び出資
- 社員の責任
- 業務執行社員
- 代表社員
- 社員の加入
- 任意退社
- 決定代謝及びその特則
- 計算
- 損益の分配と分配の割合
- 最初の事業年度
- 記名押印
各項目で何を記載すればよいかは、合同会社の定款のひな型と作成方法が記載されてる記事があるので、詳しくは認証は不要?合同会社の定款のひな型と作成方法の解説のページを確認してください。
なお、定款は自分で作成することも可能ですが、自分で調べながら作成したり、内容に不備があった場合など、本来事業にあてられる時間を取られてしまう場合もあるので、司法書士や行政書士などの専門家に依頼することも視野に入れておきましょう。
場合によって必要になる書類の提出条件
合同会社を登記する時には、場合によって追加で提出が必要になる書類があります。定款の内容次第では代表社員の就任承諾書と本店所在地及び資本金決定書が、現物出資がある場合には資本金の額の計上に関する証明書と引き継ぎ書が必要になります。
代表社員の就任承諾書と本店所在地及び資本金決定書は定款の内容によって必要
代表社員の就任承諾書と本店所在地及び資本金決定書は定款の内容によって必要になります。
代表社員の就任承諾書は、代表社員が定款上、実名で定められていない場合は必要になります。また、代表社員を複数名置く場合、代表社員の就任承諾書も代表者に就任する人数分用意しなければなりません。
本店所在地及び資本金決定書は、代表社員の実名、本店の所在地(番地まで記載)、資本金の総額が定款に記載されていない場合に必要となります。記載されていない場合、後日出資者である社員が集まり、未記載部分を決定する必要があります。
財産引継書と資本金の額の計上に関する証明書は現物出資がある時に必要
財産引継書は現金での資本金以外に、不動産や自動車などの現物出資がある時に必要になります。 財産引継書を記載するうえで大切なのは、何を出資するのかを車検証や保険証を参考に、製造番号や商品名などをわかりやすく書くことです。
資本金の額の計上に関する証明書は、出資金のすべてを資本金にしない場合や、現物出資がある場合に必要になります。
書類を綴じる順番
書類はホッチキスで留めるものとクリップで留めるものがあります。
ホッチキスで留めるものは以下のものになります。
1. | 合同会社設立登記申請書 |
---|---|
2. | 登録免許税の収入印紙が貼られた台紙 |
3. | 定款 |
4. | 本店所在地及び資本金決定書(必要な場合) |
5. | 代表社員就任承諾書(必要な場合) |
6. | 代表社員の印鑑証明書 |
7. | 払込証明書 |
クリップで留めるものは以下のものになります。
・登記用紙と同一の用紙 |
---|
・印鑑届書 |
必要書類をすべて記載し綴じ終えたら、合同会社設立登記の手続きに必要な書類の完成です。綴じた書類を会社の本店所在地を管轄する法務局に提出しに行きましょう。
会社を設立する地域を管轄する法務局は、法務局のホームページから検索することができます。
主な提出先は法務局と税務署
主な提出先は、法務局と税務署になります。
法務局には、合同会社設立登記に必要な書類をホッチキスとクリップでまとめたものを提出します。
税務署には、合同会社設立登記手続きとは別に、企業活動を行う上で発生した利益に対する税金を支払うため、法人設立届出書や青色申告の承認申請書などを提出する必要があります。 法人設立届出書や青色申告の承認申請書は税務署か国税庁のウェブサイトからダウンロードすることができるので、事前に準備をしておきましょう。
完成した書類は、会社の本店所在地を管轄する税務署に書類を提出する必要があります。 会社を設立する地域を管轄する税務署は、国税庁のホームページから検索することができるので、まずは管轄の税務署を調べてみましょう。
許認可が必要な事業は提出先が増える
飲食業や建設業などの許認可が必要な事業は、法務局や税務署以外に提出先が増えます。
例えば、飲食店を行う場合、営業許可証を取得する必要があるので、申請書類を準備し、保健所へ提出が必要になります。
食品の小売業や建設業も、保健所や東京都都市整備局に申請書類を提出する必要があります。 他にも必要な申請書類がないかどうか確かめるために、自身の事業に許認可が必要かを確認しましょう。
まとめ
マイナンバーカードを持っている人は、法人設立ワンストップサービスを使うことで、各機関に出向く手間が省けます。 また、マイナンバーカードを持っていない人でも、かんたん問診を受けることで、必要な書類がわかるので、まずは必要な書類が何なのかを確認しましょう。
必要な書類を確認することができたら、それぞれの書類を手に入れ、必要事項を記入のうえ各提出先に提出しましょう。