会社設立の本店所在地はどこ?登記場所で異なるメリット・デメリット

カテゴリー 会社設立

会社設立の手続きには、会社定款の作成や法務局での登記があります。その手続きでは、事業主が「本店所在地」という住所を記載しなければいけません。

本店所在地にはいくつかのルールやマナーがあります。

今回の記事では、会社設立時の本店所在地についてのルールならびに自宅や賃貸オフィスを登記場所にした場合のメリット・デメリットについて、くわしくご説明いたします。

目次[非表示]
  1. 1.会社設立の本店所在地はどこにする?
    1. ①「本店所在地」は会社設立時に必ず必要
      1. (1)会社の本店所在地は個人の住所と同じ
      2. (2)定款の「本店所在地」は最小行政区画まででOK
      3. (3)登記の「本店所在地」は番地まで含める必要がある
    2. ②会社の本店所在地のルールとは
      1. (1)(国土交通省では)「マンション標準規約」では、自宅兼事務所の利用は問題ナシ
      2. (2)契約の賃貸住宅に「居住用」と明記されている場合
      3. (3)契約書に何も記載がない時は?
      4.  (4)賃貸借契約書に事業用で利用NGと書いてある場所→そもそも事業を行えない
      5. (5)株主名簿や株主総会議事録などを「本店に」備え置かなければいけない
      6. (6)所在地を変更するときは変更手数料として3万円がかかる
  2.  2.会社設立時の住所の選択はとても重要
    1. ①会社住所は会社の社会的信用に影響する
    2. ②一度登記した内容は、後で変更しても消去できない
  3. 3.会社設立時の登記場所の種類とメリット・デメリット
    1. ①自宅
      1. (1)【賃貸の自宅を会社住所にする】メリット
      2. (2)【賃貸の自宅を会社住所にする】デメリット
      3. (3)【持ち家の自宅を会社住所にする】メリットとデメリット
    2. ②【賃貸オフィスを会社住所にする】メリットとデメリット
    3. (1)メリットは事業拡大しやすいこと、取引先の訪問者に対応できること
      1. (2)デメリット
    4. ③【レンタルオフィスを会社住所にする】メリットとデメリット
    5. ①メリットは入居後すぐに事業を始められること、サービスが充実していること
    6. ②デメリットは法人登記できないレンタルオフィスもある、事業の拡大に対応しづらい点
    7.   ④【バーチャルオフィスを会社住所にする】メリットとデメリット
      1. (1)バーチャルオフィスとは?
      2. (2)バーチャルオフィスを利用する3つのメリット
      3. (3)バーチャルオフィスでも会社登記は可能
      4. (4)バーチャルオフィスを登記する際の2つの注意点
      5. (4)バーチャルオフィス利用にデメリットはある?
  4. 4.賃貸オフィスなどを借りるとき、登記が先か、借りるのが先か?
  5. 5.登記場所と融資・助成金の関係
    1. ①融資・助成金とは?
    2. ②登記場所で融資がNGとなる例
      1. (1)事業用NGの場所で事業をしているとバレた場合
      2. (2)そもそも制度融資や助成金の対象から外れてしまう場合
      3. (3)別の地域の信用組合・信用金庫の融資には申し込めない
  6. まとめ

1.会社設立の本店所在地はどこにする?

①「本店所在地」は会社設立時に必ず必要

(1)会社の本店所在地は個人の住所と同じ

日本では古くは明治時代から「戸籍制」が導入され、個人の氏名や住む場所を役所が把握していました。戸籍があることで、誰と誰が家族であるということが証明でき、生きるために必要な援助や教育などを滞りなく支給できているのです。

会社の場合も同様です。新たに会社を設立する場合は、誰がみてもわかるように法務局で会社情報を登記しています。また、会社内のルールを社会全体で把握するために、会社設立時には必ず会社定款を作成して認証を受けなければいけません。

(2)定款の「本店所在地」は最小行政区画まででOK

会社設立時に記載する本店所在地は、①会社定款に記載する本店所在地と②法務局で会社登記する際の本店所在地、の2種類があります。

まず①の会社定款の場合は、市町村単位等のだいたいの住所にしておく方がよくいらっしゃいます。本店の住所を◯◯市などの大まかな住所にしておくことで、あとで同じ市内なら引っ越しても定款を変更せずに済むというメリットがあります。

(例)

〇会社の住所が「東京都千代田区外神田1-18-19新秋葉原ビル7F」の場合

会社定款では→東京都千代田区外神田1-18-19・・・OK

東京都千代田区外神田1-18-19新秋葉原ビル7Fも、もちろん可能

(3)登記の「本店所在地」は番地まで含める必要がある

次に、法務局で会社登記をする場合の本店所在地です。建物名や部屋番号は省略しても登記できますが、大型マンションや団地の場合などは税金や社会保険などの郵便物が届かないと困りますので、マンション名や号数などまで記入することが多いようです。

(例)

〇会社の住所が「東京都千代田区外神田1-18-19新秋葉原ビル7F」の場合

東京都千代田区外神田1-18-19新秋葉原ビル7F・・・郵便物が届く!

または

東京都千代田区外神田1-18-19-7F でも可

【参照:創業融資ガイド|会社設立時オフィス選びのポイントとは

②会社の本店所在地のルールとは

「商業登記法」という商法や会社法の中の登記について特化した法律では、会社設立時に本店所在地の住所に関する制限を特に設けていません。そのため、自宅や知人のオフィス、居住している賃貸マンション、倉庫など、どこの住所を使っても法務局への法人登記の申請は可能です。

ただし、契約中の賃貸住宅では登記できない場合が一部ではあります。

(1)(国土交通省では)「マンション標準規約」では、自宅兼事務所の利用は問題ナシ

国土交通省ではマンションの規約について標準的な内容として、公式ホームページで「マンション標準規約」を公開しています。この中で、マンションの住宅としての利用には以下の2つの条件が必要と条文に記載しています。

  • 居住者の生活の本拠があること
  • 生活の本拠であるために必要な平穏さを有すること
第 12 条関係

 

① 住宅としての使用は、専ら居住者の生活の本拠があるか否かによって判断する。したがって利用方法は、生活の本拠であるために必要な平穏さを有することを要する。

【参照:国土交通省|マンション標準規約

そのため、基本的には自宅マンションに住み平穏さをキープした上での事業は問題がありません。

ただし、自宅マンションなどを事業の本店所在地とすることで騒音や迷惑行為とみなされる場合は、貸し手の大家さんから苦情や契約解除を申し立てられる可能性はあるかもしれません。

(2)契約の賃貸住宅に「居住用」と明記されている場合

国土交通省のマンション標準規約はあくまでモデルプランであるため、大家さん自身が個別にルールを設けている場合は、その指示に従わないといけません。

契約時に賃貸住宅で「居住用」と書かれていながら途中住宅以外の使い方をしているなら、「契約違反」と言われる可能性があります。「事業用不可」などと記載されている場合も、原則的には登記は不可の物件と考えましょう。

(豆知識:そもそも住宅用と事業用で借りる場合には、消費税の取り扱いが変わります)

住宅用で借りる場合には消費税はかかりませんが、事業用で借りる場合には消費税はかかります。そのため、居住用として借りたマンションで事業をする場合、登記をしないと税金を払わないことになってしまいます。

(3)契約書に何も記載がない時は?

不動産オーナーに同意を取った後に登記するのが理想的です。勝手に登記してしまい、あとあとから賠償金などを請求されるなどのトラブルになる可能性もあるからです。

 (4)賃貸借契約書に事業用で利用NGと書いてある場所→そもそも事業を行えない

賃貸借契約書に事業用での利用がNGと書いてある物件の場合は、本店所在地として登記してはいけません。

なぜなら、事業で融資をする場合などは、会社の登記場所を金融機関の融資担当者が実際に現地に赴き調査します。

登記場所を調査した結果、「事業用NG」の物件だと判明した場合は事業実態がないと判断されます。そのため、融資の審査はNGになるケースがあるからです。

(5)株主名簿や株主総会議事録などを「本店に」備え置かなければいけない

あなたが設立する会社が株式会社の場合、本店所在地は株主が株主名簿などの閲覧請求ができおこなう場所になります。また、取引相手が登記簿を見て請求書などを郵送することも考えられます。

そのため、本店所在地はすくなくとも「事業の一部を実際に行っている場所」にする必要があります。

(6)所在地を変更するときは変更手数料として3万円がかかる

登記している情報が変わる時、法務局で新たに登記の変更手続きをして、登録免許税を納めなければいけません。本店所在地の変更にかかる手数料は、3万円です。

適当な場所に登記して後から変更手続きをして3万円がかかるぐらいなら、最初から登記場所はよく考えて決めるほうがよいでしょう。

 2.会社設立時の住所の選択はとても重要

①会社住所は会社の社会的信用に影響する

お客様の信用第一として、取引先にもある程度のブランド力やネームバリューを求める起業もあります。

取引先によっては、明らかに個人の自宅とわかる住所では取引を断られることがあります。

②一度登記した内容は、後で変更しても消去できない

登記簿謄本において古い情報には「抹消事項」として下線が付きますが、内容自体は下線がついても見ることができてしまいます。また、法人番号公表サイトでも履歴を閲覧することは可能です。

そのため、極端な例ですが登記場所がラブホテルなど会社としての信用力を表現するには力不足の物件の場合、あとから履歴を消すことができないので注意が必要です。

3.会社設立時の登記場所の種類とメリット・デメリット

①自宅

(1)【賃貸の自宅を会社住所にする】メリット

自宅を会社の本店所在地とするメリットは3つあります。

家賃などの追加でかかる経費を抑えることができることです。
自宅の光熱費や通信費のうち、会社の事業として使用する部分を経費にすることが可能です。
店舗を借りるのに比べて費用がおさえられる。業種によっては(整体・ネイルサロンなど)いきなり大きな店舗を構えるのではなく軌道に乗るまでスモールスタートが可能。

2.の補足ですが、経費計上する際には個人として利用するもの(例、部屋の家賃、通信費)については家事按分という計算方法を使って計算する必要があります。家事按分をするには、その計算根拠もあわせて提出する必要があります。

また、生計を共にする配偶者に支払う地代家賃などは経費として計上することはできません。

(家事按分とは?)

自宅で仕事をする人が仕事で使う経費を確定申告する場合、仕事で使う割合を計算して申告すること。例えば、自宅の家賃を申告する場合、自宅の全面積中で何平方メートルを仕事要として使っているのか、で計算します。また、自己所有の車を仕事で使った場合は、走行距離やガソリンの消費量から算出します。【参照:国税庁|必要経費に算入する場合の注意事項

なお注意点として、家賃等を会社経費として申告する場合、該当経費の支払いが法人口座から引き落としされていると確認できる必要があります。

(2)【賃貸の自宅を会社住所にする】デメリット

自宅を会社の住所とすることのデメリットには以下の6点が挙げられます。

自宅の場合、外部からの信用を得にくいという点がデメリットとなるでしょう。→会社住所にマンション名があるだけでも、小さい会社もしくは個人の会社と思われてしまいます。
自宅の場所が外部の人に知られてしまうなど、プライバシーの面での問題が生じます。
自宅を法人の登記場所にうることを禁止する法令はありません。ただし、規約や契約書に「登記禁止」などと規定がある場合は、そちらが優先ですので確認が必要です。
打合せスペースが作れず、来客を呼ぶことは難しいでしょう。
許認可や施設条件がある業種の場合、登記はできても条件を満たさないと営業自体ができなくなることがあります。
住宅ローン控除を受けて住宅ローンを支払い続けている場合、住宅ローン控除は個人の居住用住宅を支援する控除のため、控除枠から外れてしまう可能性があります。

【参照URL:国税庁|No.1216 増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除) 】

 

(3)【持ち家の自宅を会社住所にする】メリットとデメリット

賃貸の自宅を会社住所にする場合とメリットとデメリットはほぼ同じです。ただし、持ち家だと、大家さんからの苦情や契約解除される心配がない点は有利です。

②【賃貸オフィスを会社住所にする】メリットとデメリット

(1)メリットは事業拡大しやすいこと、取引先の訪問者に対応できること

会社設立後、事業を拡大しやすい。会社独自のオフィスがあるので、取引先の会社や顧客からの信用を得やすい。
賃貸オフィスの場合、部屋もある程度広いので、人も雇いやすく会社の業務量増加にも対応できます。
取引先の人や顧客の訪問に対応しやすい

1.の補足ですが、信用を得られる理由として、オフィスビルやテナントビル内にオフィスを構えるということは、契約に伴う審査を通過した会社ということになります。そのため、自宅をオフィスにしているよりも信用度の点では賃貸オフィスは高い評価につながります。

(2)デメリット

次は、デメリットについてみてみましょう。賃貸オフィスを会社住所とすることのデメリットは以下の2つです。

初期費用がかかる
会社設立段階に借りるのが困難

1.については以下の初期費用が必要です。

①敷金・保証金

  • 大手デベロッパー物件:賃料の12ヵ月分
  • ファンド物件:賃料の6~12ヵ月分
  • 個人オーナー物件:賃料の3~12ヵ月分

②礼金

  • 大手不動産開発業者の所有物件:なし
  • 投資ファンドによる運用物件:なし
  • 個人オーナー物件:なし~賃料の2ヵ月分

③保証委託料→家賃の1ヶ月分

④仲介手数料→家賃の1ヶ月分

2については、事業をしてから少なくとも1年は経過している、自己資金がある、などの信用力がないと貸してくれないオフィスもあります。

なぜなら、賃貸オフィスの契約は2年契約などの期間を設定している場合が多く、月25万円のオフィスの場合は600万円分の価値がある物件を、24回払いに分けて貸すのです。貸主にとっては分割払いに値する借主なのか、審査をするのも当然です。

逆に、誰にでも貸してくれるオフィスの場合は賃料が高額または機能面で劣るなどのデメリットがある場合があります。

③【レンタルオフィスを会社住所にする】メリットとデメリット

レンタルオフィスとは、インターネットや電話、FAX、机や椅子などのビジネス用品、業務を行うスペースなどが、必要最低限設けられているオフィスをいいます。

①メリットは入居後すぐに事業を始められること、サービスが充実していること

レンタルオフィスは短期間を前提にした作りである場合が多く、賃貸オフィスより面積が狭く、入居後すぐに事業を始められるという特徴を持っています。個人の場合のレオパレスをイメージするとわかりやすいかもしれません。

レンタルオフィスを会社住所にするメリットは以下の3つです。

賃貸オフィスの保証金よりは安く、初期費用を抑えられる。
郵便物の転送などサービスが充実しているオフィスが多い。
千代田区など社会的信用のある場所で登記できる

最近は、月額数万円で借りられるレンタルオフィスが増えてきました。例えば、レンタルオフィスサイトでは東京都千代田区神田の一室が、敷金なしの2万円台や3万円台のオフィスも掲載されています。

【東京都・千代田区神田の場合】

906号 25,920円 / 月額 敷金/要問合せ

礼金/要問合せ

804号 35,640円 / 月額 敷金/なし

礼金/なし

また、東京都千代田区などの信用の高いエリアであっても、レンタルオフィスであれば射程圏内です。これもレンタルオフィスの魅力のひとつです。

②デメリットは法人登記できないレンタルオフィスもある、事業の拡大に対応しづらい点

レンタルオフィス利用のデメリットについてもみていきましょう。レンタルオフィスを会社住所にするデメリットは以下の3つです。

レンタルオフィス運営会社の倒産など自分以外の事情で、本店所在地を移転しなければならない場合がある。
レンタルオフィスのなかには、法人登記ができないところもある。
従業員の増加に対応しづらい。

レンタルオフィスはアクセスのよい駅チカ物件が多いため、広い場所の場合は月に何十万円もの家賃がかかりコストがかさみます。

そのため、スモールスタートとして3~5名程度が働ける小さなオフィスをレンタルするのですが、事業が軌道に乗った場合は広いオフィスへ引っ越しをする手間がかかってしまいます。

  ④【バーチャルオフィスを会社住所にする】メリットとデメリット

(1)バーチャルオフィスとは?

バーチャルオフィスとはその名の通り、実態のないオフィスであり、住所のみを貸してくれるサービスを言います。最低1,500円~5,000円程度を支払えば、都心一等地の場所で登記可能な住所や電話番号などをレンタルすることができます。

(2)バーチャルオフィスを利用する3つのメリット

バーチャルオフィスを会社の住所とするメリットは以下の3つです。特に、信用面や安心感で利用する方は多いようです。

千代田区、港区(東京都の場合)などの一等地の住所を利用できる
自宅住所を公開しなくて済みため、安心感がある
レンタルオフィスや賃貸で部屋を借りるよりも、大幅なコストカットとスピーディーな起業が可能

(3)バーチャルオフィスでも会社登記は可能

「バーチャルオフィスでの登記はできるの?」と心配される方はいらっしゃいますが、結論から言うと、登記は可能です。

また、子会社やグループ会社がある場合は支店の登記先も住所が必要になりますが、住所に関する制限を示す法律はないため、バーチャルオフィスでも実質上登記は可能です。

(4)バーチャルオフィスを登記する際の2つの注意点

突然の訪問に対応できない。郵便物の受け取りができない。(できるようにするには、別料金がかかる)
銀行口座が登録しづらい

とは言え、注意点もあります。例えば、税務署などの公的機関から手紙が届いたり、銀行口座開設や融資などの際に金融機関への届け出が必要であったり、会社を訪ねての不意な来客があったりする場合があります。

そんなときは、手紙が戻ってきたりすることもあり、「え?バーチャルオフィスなの?」と相手に不信感を与えるきっかけとなってしまうかもしれません。

もう1点は、バーチャルオフィスは銀行口座が登録しづらいという点です。これに関しては、以下の記事もぜひご参照ください。

【参照:創業融資ガイド|会社設立時オフィス選びのポイントとは

(4)バーチャルオフィス利用にデメリットはある?

安くて自宅住所を公開せずに済むバーチャルオフィスにデメリットはないように見えますが、以下の2点はデメリットと言えるでしょう。

事務所要件のある許認可は取得できない
融資が受けにくい

1.についてですが、許認可とはクリーニング業、ペットショップ、賃金業などのように許可申請して認定されないと法律違反となる種類の事業が必要とする認可です。

例えば、あなたが探偵事務所をバーチャルオフィスで開きたいとしても、探偵業の場合は許認可が必要な業種であり、バーチャルオフィスでは許可が下りない可能性があります。

こちらの動画ではバーチャルオフィスで創業融資が借りられるのか?というテーマについてご説明しております。ぜひ併せてチェックしてください!

 

4.賃貸オフィスなどを借りるとき、登記が先か、借りるのが先か?

さて、賃貸オフィスなどを借りる際に気になるのが、賃貸契約と会社登記のどちらを先にしよう?という点です。これについては、以下2つのケースが考えられます。

①ケース1:個人として契約→法人登記→法人契約に切り替え

 

 

 

 

 

 

 

 

②ケース2:法人登記(個人宅を本店所在地)→法人契約で賃貸オフィスなどを借りる→本店の登記変更する

 

 

 

 

 

 

 

 

ケース1かケース2かでは連帯保証人の点で異なってきます。

  • ケース1=連帯保証人を別でたてなくてはいけない
  • ケース2=代表者が「個人として」連帯保証人になれる。法人登記を先に済ませていため、法人格ができあがります。そのため、他のひとに連帯保証人になってもらわずに、法人格と事業主個人とでそれぞれ登録すればよいので、結果的に登記と賃貸契約をひとりで完結できます。

(!!注意!!)

通常は、賃貸借契約を締結する時から家賃は発生するものです。しかし、あなたの事業計画によっては、すぐに開業はできずもう少し時間がかかる、ということもあるでしょう。

この場合は、賃貸契約をする貸主の方と一緒に「家賃が発生する時期」をできるだけ「開業の時期」にできないか、契約をする時点で相談してみましょう。

ケース1とケース2をまとめると、ケース2の方が手続き的には量が少ないと言えます。ですが、ご自身の事業計画に沿ってケース1かケース2のいずれかを選択することが大切です。

5.登記場所と融資・助成金の関係

①融資・助成金とは?

融資とは、個人や中小企業などが利子付きで金融機関等から借り入れをすることです。

【参照:創業融資ガイド|そもそも「融資」って何ですか?融資が何か詳しくご紹介します!

一方、助成金とは雇用や生産性を上げるなど、一定の要件に当てはまる事業主に支給される国からの給付金を指します。

基本的には、対象経費を支払った代わりにその一部が後払いされるキャッシュバックの制度を言います。

【参照:助成金を理解して、うまく活用しよう!

②登記場所で融資がNGとなる例

(1)事業用NGの場所で事業をしているとバレた場合

融資を前提にした場合でも、賃貸借契約書に事業用で利用NGと書いてある場所に法人登記してあると、融資の審査でNGになることがあります。

前述した通り、融資の審査では事業所の住所を融資担当者が現場へ赴いたり登記を調べるからです。

(2)そもそも制度融資や助成金の対象から外れてしまう場合

また、申し込みたい制度融資の対象とならないこともあります。制度融資とは、自治体と金融機関、信用保証協会が連携して行う融資のことで、創業融資や事業者向け融資があります。

  • 例1)東京都の制度融資の条件

都内に事業所(住居)があり、保証協会の保証対象となる業種を営んでいること。

(ただし、一定の業歴要件が必要となる場合があります。)

  • 例2)自治体限定の助成金がある(東京都北区・渋沢翁顕彰事業助成金)

北区で事業をしている事業者が対象の北区による助成金は、本店所在地が北区にない事業者は申し込めない

【参照:北区|渋沢翁顕彰事業助成金(東京北区渋沢栄一プロジェクト推進事業助成)

(3)別の地域の信用組合・信用金庫の融資には申し込めない

信用組合・信用金庫とは、地域の中小企業や個人を組合員とし、相互扶助を目的として非営利の金融機関です。そのため、事業所の本店がある地域以外の信用組合・信用金庫を利用したいと思っても、利用することは原則できません。

まとめ

会社設立時の本店所在地は自宅でOKですが、その後に引っ越しする場合は変更手数料(登録免許税)が3万円かかります。

そのため、本店所在地は慎重に選びましょう。

会社の住所をどこにするかは、事業内容や将来の展望、家賃にどれだけお金をかけられるか(資金力)も考慮して決めると、無用の失敗をせずに済みます。

この記事を書いたライター

ソラボ編集部

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