起業・開業する方が資金調達で使う金融機関として有名なのは日本政策金融公庫です。まだビジネスの実績がない方でも1,000万円前後の借入が可能で(審査があります)、さらに金利は2%台とかなりの低金利です。
融資の申し込みは個人でも可能ですが、税理士を通して申込めばこの金利がさらに下がるというメリットがあります。
1.事業融資の金利は低い方がいい!売上が減ってしまうから
300万円でも400万円でも、車が1台以上購入できるようなまとまったお金を借り入れる時に大切なのは、その金利です。10万円をリボ払い15%のクレジットカードで利用する場合とはわけが違います。元本が高額なのですから、小数点以下の金利でも低くしたいものですよね。
金利が高いと、返済時に苦労します。例えば1,000万円の融資を金利2.35%で受けたAさんの場合、7年間で返済する総額は1,000万円の元本プラス金利分107万8,770円となります。しかし、この金利がもっと高いと金利分だけで200万円にも膨れがります。
2.税理士は誰でもいい訳ではない!認定支援機関とは?
「税理士を通すと、日本政策金融公庫の融資の金利が低くなるの?へ~!」と、適当に税理士事務所に電話をかけて融資相談することはやめておきましょう。金利が安くなる仕組みは、実は日本政策金融公庫の制度である「中小企業経営力強化資金」という制度を使うからなのです。
・中小企業経営力強化資金とは?
日本政策金融公庫の事業向けの融資制度の一つ。借入希望者と認定支援機関が協力して「事業計画書」を作成して融資を受ければ、借入額2,000万円以内の場合は特利Sを適用できる
特利は基準金利よりも低い金利で、条件に合う借入希望者のみが適用される特別金利です。2018年11月9日現在、特利Sは2.06~2.45%と2%の前半を推移しています!
認定支援機関とは、経済産業省の認定を受けた税理士や公認会計士などのことです。認定支援機関という認定を受けた税理士などは、ホームページなどで自らを「認定支援機関です」と表示することが可能です。ちなみに、このサイトの運営会社(㈱ソラボ)も認定機関の一つです。
3.認定支援機関は国内に2万か所以上!どう選べばいいの?
ご存知の方も多いのですが、税理士試験は科目選択をする国家試験です。税金の範囲は非常に幅広く、お医者様に「内科」や「外科」があるように、税理士にも得意分野とそうでない分野があるのです。
創業融資を税理士に依頼し低金利を目指すなら、創業融資を得意とする認定支援機関に依頼するのが賢い選択ではないでしょうか。税理士を通すことで、税理士もあなたから手数料を頂きますが、あなたはその分税理士に書類作成を依頼でき、融資に関するアドバイスももらえ、さらに金利が安くなるというメリットがあります。
また低金利を提供する日本政策金融公庫の方でもメリットはあるはずです。個人で融資の経験や知識がない方が融資を申し込まれても、ゼロから融資について説明する時間が日本政策金融公庫の職員だけでは取れないのが現状です。経済産業省が認定支援機関を認定している理由は、街にいる専門家を活かして日本経済を活性化させることにあります。
全国にある認定支援機関の融資担当者が日本政策金融公庫で融資を受けたい人へ書類作成やアドバイスなどを親身に行えば、事業計画書の完成度も上がり、その分融資の審査の通過率も上がるのです。
まとめ
日本政策金融公庫で初めて融資を受けるなら、認定支援機関を通して「中小企業経営力強化資金」制度を利用するのがスマートです。融資に成功すれば認定支援機関に手数料は支払わなければいけませんが、個人で融資を申し込みより金利が少し低くなるので手数料の元は取れます。認定支援機関は事業計画書などの難易度高めの資料作成を代行しますので、融資の通過率は個人で申し込むよりアップする傾向にあります。