何かにお金を使用するたびに、必ず領収書を出してもらうという社長、個人事業主の方が多いと思います。
おそらく「経費」にするためというのがほとんどだと思いますが、「経費」に対する誤解のひとつに「領収書主義」があります。
これから起業して経理に明るい経営者になっていきたいと思うのであれば、まず、この領収書主義を捨てるようにしましょう。
なぜ「領収書主義」がよくないのか
これはもしかしたら、あなたが起業する前の、何年かのサラリーマン生活の間で、経理部とのやりとりの間で自然に身についてしまった悪習かもしれません。
なぜなら、経理部というのは、領収書がなければぜったいに経費として認めてくれなかったからです。
たとえ、実際に仕事のために使ったとしても、です。
領収書をなくせばそれで終わり、ということが何度かあり、悔しい思いをしたことが多かったのではないでしょうか。
「領収書がないから経費にならない」
この2つの考え方が、間違っていることは、以前の記事で何度も述べてきました。
領収書がなくとも経費で落とせる場合はありますので、偽装の領収書や偽りの申告はやめておいたほうがよいでしょう。
税務署というのは、ウソを見抜くプロ集団みたいなものです。
税務署に目をつけられやすい4つの危険な経費
ほかにも税務署員が目を光らせている、危険なグレーの経費を挙げておきます。
- 金額が大きな領収書
- あなたの業種とは関係がない店の領収書
- 地理的に遠く離れた店の領収書
- お品代と書かれたような、詳しい明細のない領収書
1.金額が大きな領収書
まず税務署は、金額の大きな領収書に目をつけていきます。
金額としては3~20万円ぐらいのものです。
たとえ領収書がなくても、領収書以外に、実際に仕事のために購入したという証拠を示せるのがあれば、経費として算入できます。
それが手書きのメモや、レシートです。
経費算入には、ぜったいに領収書である必要はないわけです。
これと同じく「領収書があるから経費になる」と思い込むのは相当危険な考え方だということです。
この考え方にはまってしまうと、キャバクラの領収書、個人的に贅沢をしたときの領収書など、領収書があることを示せば、すべて経費算入できるという結論になってしまいます。
経費をごまかそうという経営者は、小さな金額の領収書をたくさん作るより、大きな金額のもの1枚で済まそうという傾向があるからです。
たとえば、以前の記事のキャバクラでの例で、あなたが代表して1万円×8人分=8万円の領収書をもらったとします。
一人で8万円を飲食代に使うというのは、あなたが絶対に行けないような一流料亭で芸者をよばない限り無理ですから、「多人数が出席した友達同士の飲み会だったのでは」と認識されてしまいます。
2.あなたの業種とは関係がない店の領収書
もしあなたが不動産業であれば、工務店の領収書がいくらあっても不自然ではありませんが、あなたが美容院だとして、工務店の領収書をたくさんもっていたら怪しまれるということです。
改装は多くても数年に一回で充分だからです。
3.地理的に遠く離れた店の領収書
たとえば大阪で介護サービスの会社を経営している社長が、北海道の会社の領収書を経費として算入していたら疑われるということです。
介護サービスは地域に根ざしたサービスを行いますから、領収書は自然と近隣の会社のものが多くなるはずです。
たくさんある領収書のなかに、ひとつだけ遠方の住所のものがあれば、それだけで目立ちますし、架空のものである、仕事の直接関係のない経費なのに無理矢理算入しようとしていると疑われるでしょう。
4.あなたの業種とは関係がない店の領収書
サラリーマン時代の「領収書主義」から抜け出せない人が、陥りやすいのがこれです。
明細を知らせず「お品代」とだけしておけば、ぜったいにバレないと思い込んでいますが、税務署は逆に「お品代」の領収書から真偽を調べていくのです。
レシート印字の領収書などでは、番号が付されている場合があります。
その番号をもとに購入先に照会されてしまえば、電話一本であっという間に内容を把握されてしまうでしょう。
まとめ
- 領収書はあればよいというものではなく、何にお金を使ったか「内容」が重要
- 事業の内容と関係性が見られない領収書は税務署に疑われると認識を
- 領収書の「お品代」には必ず明細を
「経費」にしたい領収書を控える際には、これらのポイントに気をつけましょう。
請求書・見積書・納品書を簡単便利に作成できる「RAKUDA」
無料で「請求書」「見積書」「納品書」「送付状」「取引管理」が作成できるクラウド請求書ツールです。
請求業務がコレで完結。
面倒な源泉徴収税の計算も自動で行ってくれます。
個人事業主の方には特におススメ!