起業を考えている方の大半が起業にはお金がかかるイメージを持っており、起業する前から諦めてしまう状況を目にします。しかし実際、お金がなくても起業することは可能です。
ただし、お金がない起業には絶対にやってはいけないタブーがいくつかありますので、今回は注意点をいくつかご紹介します。
1.資金がない人でも起業はできる
以前は法人で会社を設立するとなったら最低でも500~1000万円の資本金が必要でしたが、現在では資本金1円でも会社の設立ができます。
また会社を設立するだけでなく、個人事業主として事業を開始することも容易になりました。
「個人事業主」であれば初期費用を最小限に抑えることができ、開業届を出すだけで開業できます。
なかには個人事業主として起業し、ビジネスが安定したら法人化する起業家もいます。
お金をかけずに起業したいと考えている方には、まず個人事業主での起業がオススメです。
そもそも資金が少ない方がリスクマネジメントや赤字にならないための事業計画など、知恵を絞り起業を行うようになります。
また、こういった発想をしなければ起業家として成功するとは思えません。
資金を抑えられて尚且つ副業としても人気なネットショップやネットビジネスで起業し、成功している人の多くは、ただ国内にある日用品や雑貨、衣類などを転売しているのではなく、海外や国内から珍しいものを仕入れ、転売することで儲けています。
このように時代を敏感に捉え、先見の明とも言えるアイデアやオリジナリティをビジネスに落とし込むことができれば、お金がなくても起業を成功させることが可能です。
2.なぜ起業したいのか明確にする
起業したい理由を明確にすることで事業を行う目的、即ち「方向性」が定まっていきます。
難しく考える必要はありません。
例えば
「通勤者に毎日美味しいコーヒーを提供し、一日頑張っていただきたい」
「雑貨が好きで、自分のセンスを活かした雑貨屋を経営したかった」
などを目的にし、起業しても問題はございません。
ただし、「お金が稼ぎたい」を目的にしてはいけません。お金を稼ぐのは手段であって目的ではないからです。
起業する目的について考えることが起業に向けての第一歩になります。
逆に細かく考えて過ぎてしまうと、身動きが取れなくなってしまうこともあるので気をつけてください。
3.「5W1H」を使った考え方をする
5W1Hとは「When(いつ)、Where(どこで)、Who(だれが)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どうやって)」という意味があります。
「5W1H」を考えることでどうしたら起業できるのかという疑問の解消に繋がり、起業までの導線を引くことができます。
例えば・・・
いつ起業するのか(When)
どこでビジネスを行うのか(Where)
起業して何をするのか(What)
なぜそれをするのか(Why)
どうやってやるのか(How)
結果どうなるのか(Result)
これらをしっかり考えることで事業計画が定まり起業する方法が具体化されていきます。
事業計画を完成させることができれば、少ない資金でも日本政策金融公庫から資金の融資を受けることや自治体や国の助成金を受けることも可能になります。
4.起業のアイデアはどこから探せばいいのか
起業をする際、どのような事業を開始するのかアイデアが必要になります。
FacebookやInstagram、ダイソン、クラウドワークスなど革新的なアイデアがあるのなら問題はありませんが、そのようなアイデアは簡単に浮かびません。
では、どのようにしてアイデアを探すのでしょうか?
知人や友人から、ニュースから、インターネットからなど思い浮かぶ方もいらっしゃると思いますが、一番自分らしいアイデアを生み出すのは「経験」です。
これまで培ってきた経験やノウハウを新しいビジネスのアイデアに落とし込むことで起業の足掛かりにしていきます。
自身の経験や経歴、ノウハウなどで探し出したアイデアだけではまだビジネスとして二番煎じになる場合があります。
そのため、そのアイデアにプラスαな考えを加える必要です。
例えば
・顧客が欲しいと思っているのに、提供されていないマーケットか
・自分の強みを活かせるか
・競争相手が少ないか
などです。
何を始めるにしてもライバルを知らなければ対策を打てませんし、自分の強みを理解しなければ成長できません。
常に起業家として「あなたにしかできないビジネス」即ち、差別化できるビジネスを作り上げていくことを心掛けましょう。
(1)思い浮かんだアイデアの市場と競合を知る
上記で説明したビジネスアイデアは実際に勝てるマーケットなのか?競合がいるのか?これらを調べる必要があります。
その際に活用をオススメする検索ツールがあります。
それが「Googleキーワードプランナー」です。
Googleキーワードプランナーには様々なメリットがありますので活用しましょう。
1、狙いたいビジネスのキーワードの「需要」が分かる
2、それ以外のビジネスの需要を「関連キーワード」として見つけることができる
3、集客効果が高いか?低いか?が判断できる
4、そのキーワードの「競合性」をデータで閲覧可能
簡単に言いますと、検索ボリュームや推奨入札価格が低いものは、ニーズがあるけど、競合が少ないマーケットということになります。
ビジネスチャンスを見ることができるのがGoogleキーワードプランナーです。
簡単に使い方を説明します。
①まずはGoogleアカウントを作成してください。
②次に、Adwords管理画面にログインしてください。※Googleのメールアドレスとパスワードを入力
Adwords管理画面:https://adwords.google.co.jp
③ログインしたら、Adwords管理画面の上部メニューにある「ツール」アイコンから「キーワードプランナー」をクリックします。
④新しいキーワードを検索する場合は「新しいキーワードを見つける」から、調べたいキーワードを検索欄に入力します。
※「起業 マーケット アイデア」のような複合語での調査を行う場合には、Enterを押して改行して区切ります。単語は3語まで複合可能です。
⑤キーワードを入力して、「開始する」をクリックします。
⑥関連キーワードが複数個表示されます。
⑦まずは月間平均検索ボリュームを見ましょう。※ボリュームは多いほど、需要があることを意味します。
⑧次に入札単価を見ましょう。原則として競合性が高いキーワードほど入札単価の値も大きくなります。
・競合性が高い
・入札単価が高い
こういったキーワードで検索上位になれば、ビジネスの集客に繋がりやすくなりますが同時に競合も多くいるということです。
⑨最終的に検索するのは検索ボリュームが多くて、入札単価が低いものが起業に最適なビジネスになります。
5.実際に起業する場合の手順
実際どのようにして起業をしていくのか手順をご紹介します。
(1)法人として開業の手続きを行う
基本的な流れは次のとおりです。
2 定款作成
3 資本金の払込み
4 登記書類作成
5 登記申請
6 登記後の各種行政などへの手続き
正しい手順で書類の作成し提出していきましょう。
さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
株式会社設立|初めての人でも1週間で会社を作り起業する為の全手順
(2)個人事業主として開業の手続きを行う
個人事業の開業・廃業等届出書を書いて提出すれば問題ありません。
個人事業の開業届出・廃業届出等手続
国税庁HPから提出書類はダウンロード可能ですのでご利用ください。
(3)ビジネスモデルを決める
お金がなくても起業はできますが、事業によっては最低限の初期費用が数百万円かかることもあります。
始める事業次第ですが、自己資金だけでは開業できないケースもあるでしょう。
その場合、日本政策金融公庫や信用金庫、補助金制度を活用して融資を受け、資金調達する必要があります。
ビジネスモデルを決めておくことで事業計画書を作成する時や金融機関との面談時などで事業の説明が容易になり、より説得力が増します。
また競合相手に勝てるビジネスモデルを構築していくことで、長期的に事業を継続していくことができるようになります。
(4)金融機関での融資や補助金を受ける
金融機関からの融資や補助金を上手に活用していきましょう。
起業しようと考えているけれど資金がない場合は、創業者を支援する金融機関や補助金等から資金調達することで、運転資金の確保や創業資金の確保ができるようになります。
補助金ですと、ITツールの導入資金を補助してもらえる「IT導入補助金」があります。
例えば、「ハンドメイド事業を開始した後、ホームページを新規で制作する際の費用を補助してもらう」などの活用方法があります。
また、補助金以外にも金融機関から融資を受けることで安定した起業ができます。
自分自身ですべての手続きを行うこともできますが、ひとりで融資の申し込みをするのは不安…という方は、認定支援機関という融資のプロに任せるのも一つの手です。
日本政策金融公庫で融資を受けるための流れとは?
まとめ
お金がない起業はできるのか今回ご紹介しましたが、お金がなくても起業は事実上可能です。
国でも創業者や中小企業、個人事業主を支援する動きが活発化しており、経済の発展やグローバル化などに力を入れています。
起業の際はしっかりと事業計画を立て、失敗やリスクを分析し自分の強みを活かせるビジネスやマーケットで勝負していきましょう。