日本政策金融公庫の融資を受けるときに必ず作成して提出するのが「借入申込書」です。
借入申込書の内容が間違っていたり、記載漏れがあったりすると融資が実行されるまでに余計な時間がかかってしまう可能性もありますので、不備のないようきちんと作成する必要があります。
そこで今回は、日本政策金融公庫での融資の際に提出が必須である借入申込書の書き方と注意すべきポイントについて、詳しく説明します。
1.借入申込書の書き方
借入申込書は、日本政策金融公庫から融資を受ける際に提出する書類のひとつです。
借入申込書のフォーマットは、ホームページからダウンロードできます。
また、お近くの日本政策金融公庫の支店でも借入申込書は入手可能です。
借入申込書に記載する内容は、「融資申込者の情報」と「融資に関する情報」の2つに分けられます。ひとつずつ項目を見ていきましょう。
(1)お申込人名
法人を設立している場合や個人事業主として事業を行っており屋号がある場合には、法人名・商号(屋号)を記載します。ゴム印を使用しても構いません。
ただし、ご自身の氏名は必ず自署をしてください。
お申込人の方の印の箇所に押印する印鑑は、印鑑証明書と同じ印鑑を使用します。
個人事業主の場合は個人の印鑑、法人の場合は法人の印鑑で押印しましょう。
(2)住所
店舗や事務所を構えている場合には、本店所在地の箇所に記載しましょう。
また2店舗経営していたり、支店があったりする場合は、営業所所在地の箇所に記載してください。
お申込人または法人代表者の方のご住所には、自宅の住所を記載します。自宅兼事務所で仕事をしているケースや店舗を構えていないケースは、こちらの自宅住所のみの記載で構いません。
複数住所を記載した場合は、日本政策金融公庫から送付される書類の届け先に指定したい住所の主なご郵送先欄に忘れずにチェックを入れましょう。
(3)創業年月
これから創業しようと検討している場合は、創業を予定している年月を記載、すでに創業して事業を行っている場合は、創業した年月を記載します。
例えば、はじめに個人事業主として創業し、その後法人を設立した場合には、個人事業主として創業した年月を記載しましょう。
すでに法人設立して事業を行っている場合でも、別法人を新たに設立して創業しようと検討しているケースでは、新法人の設立(予定)日を記載します。
(4)業種
飲食業や建設業など、創業予定の業種またはすでに創業している業種を記載します。
(5)従業員数
従業員を雇わず、自分ひとりだけで事業を行うのであれば0人と記載すればOKです。
家族従業員も含め、従業員を雇用している場合には、従業員の人数を記載しましょう。
(6)お申込人または法人代表者の方のご家族
家族の名前や年齢、職業などの情報を記載します。
家族が多く記載欄が足りない場合は、借入申込書をもう一枚印刷して一枚目に収まらなかった家族の情報を二枚目に記載しましょう。ホチキス止めして提出すればOKです。
(7)お申込金額
お申込金額には借入希望額を記載します。
創業時に提出する創業計画書を作成する場合は、創業計画書の日本政策金融公庫からの借入に記載する金額と借入申込書の借入希望額が一致していることを必ず確認しておきましょう。
(8)お借入希望日
いつまでに資金調達が必要か、ある程度目安があるかと思いますので、この日までに借入がしたいという希望日を記載します。
ただし、あくまで希望日なので必ず希望日までに借入できるとは限りません。
日本政策金融公庫の融資は、申し込みから融資実行まで1か月程度かかります。
借入希望日には1か月後以降の日付を記載しておきましょう。
(9)ご希望の返済期間
毎月いくらずつであれば返済可能か計算し、希望の返済期間を決めることが大切です。
例えば、借入金額300万円を5年で返済するとした場合、毎月の返済額は約5.3万円になります。(日本政策金融公庫事業用返済シミュレーションを基に試算)
無理な返済計画を立ててしまい、本来事業にあてるべき資金を返済に回さないといけないとなっては、せっかく資金調達ができたのに意味がありません。
売上から家賃や通信費、広告費などの諸経費を差し引き、さらに残りの金額から返済をしても収支がプラスになるように返済計画を立てましょう。
また、売上の入金サイクルが遅い業種や、創業して間もないため安定した売上が立つまで時間がかかる場合には、据置期間を設定することもひとつの選択肢です。
据置期間とは利息のみの返済で良い期間のことで、据置期間終了後から元金の返済がスタートします。
長く据置期間を設けることで資金繰りに余裕はできますが、3か月~6か月程度に設定することが妥当です。
返済期間や据置期間の決め方のポイントは、次の記事もあわせてご参照ください。
(10)資金のお使いみち
借入希望額のうち、運転資金がいくらで設備資金がいくらか記載します。
例えば、借入希望額が300万円の場合、運転資金が100万円、設備資金が200万円といった具合です。
商品の仕入れや営業車の購入費用など、それぞれの資金の使いみちに該当する項目に印をつけます。
また、創業計画書を作成している場合は、同じ内容を記載してください。
万が一不明であっても、日本政策金融公庫の担当者が融資面談の際に記載してくれますので、空欄のままにしておいて構いません。
(11)担保・保証の条件
担保提供を希望するのか希望しないのか、いずれか該当箇所にチェックを入れます。
また、法人を設立していて連帯保証を希望しない場合にも、該当箇所にチェックを入れましょう。
(12)公庫におけるお客さまの情報の取扱に関する同意事項
借入申込書の裏面に個人情報の取り扱いについて記載されています。
融資制度の案内を送付するためなどの目的で個人情報を利用することに同意しない場合は、該当箇所にチェックを入れましょう。
同意しなかったからといって、借入の可否に影響はありません。
2.もし借入申込書の記載内容を間違えてしまったら?
借入申込書を記載していて間違えてしまうケースもあるでしょう。
新しい借入申込書にもう一度はじめから記載し直しても良いですが、間違えた箇所を二重線で消し訂正印を押すことで修正する方法でも問題ありません。
訂正印は、お申込人の方の印の箇所に押印した印鑑を使用しましょう。
まとめ
日本政策金融公庫の融資を受けるためには、必ず借入申込書を提出します。
記載漏れやミスがないようにひとつずつ確認しながら記載してください。
日本政策金融公庫に借入申込書を提出し問題なく受付が完了したら、いよいよ担当者との面談です。
融資面談までに、これから創業であれば創業計画書、すでに事業をしていて1期以上決算を終えているのであれば企業概要書など、必要書類を準備しましょう。
創業計画書と企業概要書の書き方は下記記事をご参照ください。
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