会社設立可能な4種類の形態と設立前に検討すべき責任の範囲について解説

カテゴリー 会社設立

会社設立を考える人の中には、設立可能な会社の種類はどれくらいあるのか考える人がいるのではないでしょうか。また、それぞれの会社の形態にはどういう特徴があるのか分からない人もいますよね。

日本では現在、設立が可能な会社は株式会社と合同会社、合資会社、合名会社の4種類です。合同会社、合資会社、合名会社はまとめて「持分会社」と呼ばれ、株式会社と持分会社では特徴が違います。

当記事では、設立可能な会社4種類を解説します。会社の特徴についても解説するため、会社形態に悩みがある人は参考にしてみてください。

会社法に基づき設立できる営利法人には4種類の形態がある

会社を設立する場合、まずは4種類の形態の中から経営する会社を選択しなければなりません。会社法に基づき法人を設立し、利益を得ることを目的とする「営利法人」には、株式会社と合同会社、合資会社、合名会社の4種類があります。

なお、有限会社は2006年に施行された会社法によって有限会社法が廃止されました。そのため、新たに有限会社を設立することはできません。

日本国内で最も設立数の多い株式会社の特徴

株式会社は、日本国内における会社の種類の中で設立数が多い会社形態です。

国税庁から公表された会社標本調査(国税庁「令和3年度分会 社標本調査」)によると令和3年度の法人数の合計は 286万4,386社、その内株式会社は261万2,677社(91.2%)であり、持分会社の合計数は17万5,939社(6.1%)です。

株式会社は、会社に出資した者に渡す証明書「株式」を発行して出資者(株主)から資金を調達し、その資金を用いて経営者が事業を行い得た利益を出資者に配当する会社のことです。そのため、株式会社は会社の所有者である株主(出資者)と株主総会で選ばれた事業を運営する経営者(取締役)に分かれている場合が多い傾向にあります。

持分会社に比べて順守するべき会社法や規制が多く公に財務情報を開示する決算公告の義務があることから、社会的信用度が高い傾向にあります。そのため、金融機関からの融資が受けやすく、人材雇用の面でも有利であると言われています。また、有限責任という出資金額を超えた損失を受ける必要がないという点から、出資者から資金を得やすいという特徴があります。

ただし、所有者と経営者が別であることから、会社のルールを記載した「定款」の認証を受ける必要があり、設立手続きに伴う書類数も持分会社よりも多くなります。

また、会社経営の意思決定は株主総会を開催し、株主からの意見を聞く必要があるため経営の自由度が低くなる傾向にあります。

3種類の形態を持つ持分会社

合同会社や合名会社、合資会社の3つは特徴が似ている会社であり、総称「持分会社」と呼びます。持分会社の中では、合名会社や合資会社よりも合同会社での設立が多いです。

持分会社の場合、会社の所有者である出資者と経営者が同一のため、出資者(社員)自身が会社の経営に携わります。

会社の所有者(出資者)と経営者が同一であることから、会社経営の意思決定に伴う株主総会の開催はありません。そのため、会社経営に関わる重要な意思決定は迅速に行え経営の自由度は高い傾向にあります。

また、株式会社と比較すると株式会社に比べて設立手続きに必要な書類が少なく、作成した定款の認証も不要です。

一方で、事業年度ごとに実施する決算により経営成績や財政状態を出資者に報告する「決算公告」の義務がなく、知名度が低い理由により株式会社よりも社会的信用度が劣ります。信用力が低いことから金融機関の融資審査は通りにくく、株式発行がないため資金を調達する方法は限られます。

合同会社の特徴

合同会社の特徴は持分会社の種類の中でも設立数が多い会社であることです。合同会社とは、アメリカのLLC(Limited Liability Company)がモデルであり、2006年に施行された会社法で導入した会社形態です。

会社に万が一のことが合った場合に、出資者が追う責任の範囲は株式会社と同様に有限責任であり、持分会社の中では合同会社のみが有限責任の会社形態です。

会社設立する際に手続きを行い費用を支払うことで、合同会社から株式会社に組織変更も可能である点も考慮して検討してみましょう。会社を設立するには設立費用のほかに設立手続きに必要な書類も重要であり、「会社設立で提出する必要書類とは?設立に必要な書類について解説」にて詳しく解説しているため参考にしてみてください。

合資会社と合名会社の特徴

合同会社と同じ持分会社である合名会社と合資会社は会社の種類のなかでも、設立数が少ない法人です。合名会社は会社設立数が最も少なく3,325社、合資会社は12,482社であり、合わせても合同会社の160,132社より少なく知名度も低いとされています。

合名会社は、無限責任社員のみで構成され、合資会社の場合、会社設立に有限責任社員と無限責任社員2名以上の出資者(社員)が必要となります。会社設立にかかる費用は合同会社と同じく約11万円であり、合名会社と合資会社は労務提供など現金以外の出資が認められています。

しかし、合名会社と合資会社の無限責任社員は会社が倒産をした場合、出資者自らの資産に影響が及ぶ可能性があり抱えるリスクが大きいことがデメリットです。

経営の自由度や設立手続きの費用は出資者の責任の範囲が間接有限責任である合同会社と変わらないことから持分会社のなかでも、合同会社を選ぶ事業主が多い傾向にあります。

会社の種類を検討する際は出資者が負う責任の範囲を把握する

会社の種類を検討する際は、会社が倒産した場合の出資者が負う責任の範囲についても把握しておきましょう。会社形態によっては、倒産して会社の負債(借金)が発生した場合に出資者が負う責任の範囲が異なり、有限責任と無限責任の2種類があります。

ビジネスの規模や目的、リスク許容度を考慮して、有限責任か無限責任かを選ぶことが重要です。多くの場合、リスク管理や資金調達のしやすさから有限責任が選ばれることが多いですが、個々の状況に応じて最適な会社形態を選ぶことが求められます。

株式会社と合同会社が対象となる有限責任

有限責任とは、会社が倒産した場合、出資者が会社に出資した額を限度として負う責任のことです。たとえば、100万円を出資して設立した会社が倒産し、500万円の負債が発生した場合でも、出資者は出資額の100万円が返ってこないだけで、それ以上の負担を負う必要はありません。

【有限責任の特徴】
・出資した金額以上の損失を被ることがないため、リスクを限定できる
・出資者は自分の財産を守ることができるため投資がしやすい環境である

株式を発行することで資金を集める株式会社は、大規模な企業が多い傾向にあります。

一方で、小規模な企業やスタートアップなどは柔軟な運営が可能な合同会社を選ぶケースも増えています。

出資額以上の損失を避け、リスクを限定したいという場合には有限責任の会社形態を選ぶようにしましょう。

また、投資家からの出資を検討している場合も有限責任の会社形態での会社設立が望ましいです。

合名会社と合資会社が対象となる無限責任

無限責任とは、会社が倒産した場合、出資者が会社の負債全額を個人の財産を使ってでも返済しなければならない責任のことです。たとえば、500万円の負債が発生した場合、会社が全額を払いきれなければ、出資者が不足分をすべて支払う必要があります。

【無限責任の特徴】
・個人の財産まで責任を負うため、リスクが大きい
・負う責任が重いことから信用力が高い場合がある

合名会社は無限責任社員(出資者)のみで構成されています。たとえば、家族経営の会社などで、父と子が無限責任社員として会社を設立し、経営に携わります。もし、会社が負債を抱えた場合は、父と子が自身の財産を用いて返済をしなければなりません。

一方、合資会社は有限責任社員と無限責任社員で構成されます。たとえば、AさんとBさんとCさんで合資会社を設立し、Aさんが有限責任社員として出資します。BさんとCさんは無限責任社員として経営を担当します。

万が一、会社が倒産した場合、Aさんは出資額までの責任を追いますが、BさんとCさんは個人の財産を用いてでも負債を返済する責任を追います。

それぞれの責任範囲と役割が明確に分かれていることが特徴です。

合名会社と合資会社のいずれかを選ぶ場合には、リスクが高くても信用度を重視する場合には合名会社が適しており、リスクと経営参加のバランスを取りたい場合は合資会社が適していると言えるでしょう。

まとめ

会社設立を考える際に、会社の種類について調べて比較検討することが重要です。会社形態には、株式会社のほかに合同会社と合名会社、合資会社がありそれぞれ特徴が異なっています。

合同会社と合名会社、合資会社は会社の所有者と経営者が同じ会社形態であり、まとめて総称「持分会社」と呼ばれています。株式会社は持分会社より認知度があり守るべき法律も多いため社会的信用度が高い傾向にあります。

持分会社は、株式会社に比べて設立手続きにて揃えなければならない必要書類が少なく、設立費用も株式会社より抑えられるため設立の準備がしやすいことがメリットです。このように、会社によっては特徴に違いがありそれぞれのメリットやデメリットがあるため、会社設立を検討している人は慎重に決めましょう。

この記事を書いたライター

ソラボ編集部

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