これから起業される方、すでに事業をされている方、
経営者にとって非常に重要な資金調達。
その手段のひとつとして、日本政策金融公庫からの融資を検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、誰でもお金を借りられる、というわけではありません。
融資を受けるには審査があります。
今回は、融資の審査に落ちてしまう方の共通点を紹介しますので、これから融資申込を検討しているのであればご自身に該当している項目がないかぜひご確認ください。
また、すでに審査に落ちてしまった方でもどのような点を改善すれば再挑戦できるのか、ポイントを見ていきましょう。
1.日本政策金融公庫の融資の流れ
まずは融資の申し込みから確定までの流れを把握しておきましょう。
自分で融資を申し込む場合と、認定支援機関と呼ばれる融資の専門家を経由して申し込む場合とでは多少異なりますが、基本的な流れは次のとおりです。
融資を申し込んでから着金されるまで、1か月から1か月半ほどかかりますので計画的に準備を始めましょう。
日本政策金融公庫の融資について、詳しくはこちらをご参照ください。
2.融資審査に落ちてしまう方の共通点
では、審査落ちしてしまう方の特徴として、具体的にどのようなケースがあるでしょうか。
これらを事前に解消しておくことで融資を受けられる可能性を高めましょう。
(1)個人の信用情報に問題がある
信用情報にキズがあると、融資を受けられる可能性は低くなってしまいます。
「ローンの返済にたびたび遅れている」「契約通り返済できていない」など、ご自身の信用情報に不安のある方は、CICで一度確認してみると良いでしょう。
(2)税金や公共料金などの支払いに遅延がある
税金や公共料金の支払いに遅延がある=融資をしても返済が遅れるのでは?と判断されてしまいます。
水道光熱費はもちろんですが、携帯電話や家賃の支払いも期日通りに行いましょう。
自分自身に置き換えて考えてみてください。
返済の期日を守らない人にお金を貸すのは嫌ですよね。
(3)自己資金が不足している
事業のために貯めてきたお金がどのくらいあるか、通帳で確認されます。
毎月少しずつ貯金してきたことが見せられれば問題ありません。
日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用する場合、「創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金」という要件がありますので、仮に自己資金ゼロで申し込むと審査に通過するのは難しくなるでしょう。
(4)事業計画に矛盾がある
今後どのように事業を展開していきたいのか示すのが事業計画です。
これだけ売上を上げたい!など、もちろん理想もあるでしょう。
しかし、まったく根拠のない甘い計画を立ててしまうと計画性がないと判断されてしまいますので、売上の裏付けとなる資料をもとに数字の根拠を明確にしておくことが大切です。
見込み顧客のリストや月100万円売り上げるためにどのようにいくらで何個販売するかといった具体的な目標を立てましょう。
(5)融資希望額が多すぎる
1円でも多く借りたいというのが本音かもしれませんが、お金を借りるには借入希望額の使い道をプレゼンしなければなりません。
例えば初期費用のあまりかからないコンサル業の方が、創業時の資金調達として3,000万円貸してほしい!と申し込んだとしても、「なぜこんなに必要なのか?」と希望融資額が過大と見なされ審査落ちの原因となる場合があります。
設備資金の場合は業者から見積書をもらい、運転資金の場合は3か月分を目安に適正額を計算し融資希望額として申し込みましょう。
(6)面談態度が悪い
融資を受けるには必ず面談があります。
起業の動機や事業内容、売上の根拠などを聞かれますが、同時に事業者の人柄なども見られています。
ときには厳しい質問をされることがあるかもしれませんが、ふてくされたり逆ギレしたりと態度が悪いと評価を下げてしまいますので注意しましょう。
3.もし審査に落ちてしまったら…?
たとえ審査に落ちてしまっても、再度融資の申し込みをすることはできます。
ただし、再挑戦するのは審査落ちの原因を解消してからです。
次の項目を確認しましょう。
(1)原因をきちんと把握する
日本政策金融公庫の審査に落ちた場合でも、審査落ちの原因を改善することができたら再度申し込むことも可能です。
ご自身の状況を振り返り、上記で挙げた項目に当てはまっている点がないか確認しましょう。
(2)自己資金を貯める
自己資金が少なかったことが原因として考えられるのであれば、再度チャレンジするまでに少しずつでもお金を貯め、通帳で確認できるようにしておきましょう。
ご両親から援助をしてもらえる場合には、振り込んだことがわかるようにご両親の通帳コピーなども添付資料として提示することができると、なお良いです。
(3)認定支援機関に依頼する
提出する書類の作成サポートなど、資金調達のプロである専門家を経由することで、さまざまなメリットが得られます。
詳しくはこちらの記事をご参照ください。
認定支援機関を選ぶ際は、資金調達の実績がどのくらいあるか、手数料はどのくらいかかるのかを必ずチェックしましょう。
(4)再申し込みは半年後
日本政策金融公庫の融資は、一度失敗すると、失敗した履歴が残ってしまいますので、弊社にご相談いただいたお客様の場合、最低でも半年以上期間が経過してから再挑戦するケースが多いです。
(5)日本政策金融公庫以外の金融機関に申し込みをする
仮に日本政策金融公庫で資金調達ができなかった場合でも、信用保証協会を通じて民間の金融機関から融資を受ける方法もあります。
保証協会付融資は、金融機関にとってもリスクが低いので比較的審査が通りやすいです。
ただし、日本政策金融公庫と同様にしっかりと事業計画を立てる必要がありますので、不安な方は融資の専門家に相談してみると良いでしょう。
まとめ
これから日本政策金融公庫での資金調達を考えている方は、審査落ちの理由をご自身に置き換え、事前に改善できるところは対応しておくことで融資の成功確率を上げることができます。
一度失敗してしまうと一定期間融資を受けることが難しくなってしまいますので、まずは認定支援機関に相談してみるのも良いでしょう。