日本政策金融公庫での融資を検討している経営者の方。
資金調達をスムーズに進めるためにも融資の申込をしてから融資が確定し着金するまで、どのような流れでどのくらい時間がかかるのか、きちんと把握しておきましょう。
1.自分でやる?専門家を通す?
融資の進め方として、「自分自身ですべて行う場合」と「認定支援機関と呼ばれる融資の専門家を通す」方法があります。
認定支援機関ってそもそも何?という方はこちらの記事をご参照ください。
創業融資ガイド「認定支援機関とは?」 |
それぞれメリット・デメリットがありますが、主な違いは次のとおりです。
「少しでも融資の成功率を上げたい」「自分だけで手続きするのが不安」という方は、認定支援機関に相談してみることをオススメします。
2.自分で融資を申し込むケース
(1)まずは事業資金相談ダイヤルにて電話相談
日本政策金融公庫では融資に関する相談を電話で対応しています。
どのような融資制度を使うことができるのか、どのような申込手続きが必要なのかなど、日本政策金融公庫のスタッフが丁寧に答えてくれます。
事業資金相談ダイヤル
0120-154-505(平日9時~19時)
(2)日本政策金融公庫の窓口に訪問
日本政策金融公庫のホームページから店舗検索が可能ですので、お近くの支店にご訪問ください。
あらかじめ自分で作った創業計画書を持参すれば、より具体的な相談を担当者とすることができますので、わかるところだけでも記載して準備しておきましょう。
創業計画書のテンプレートも日本政策金融公庫のサイトからダウンロードできます。
業種ごとの記載例も載っていますので、参考にしてみてください。
(3)借入申込書を窓口に提出
日本政策金融公庫でお金を借りる場合、必ず「借入申込書」を作成します。
サイトからテンプレートをダウンロードし、両面印刷または2枚とも出力して提出しましょう。
申し込みをしたらすぐにお金を借りたい!と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、申し込みから着金まで1か月ほどかかりますので、資金調達の際は余裕を持って準備をしておくことが大切です。
借入申込書の詳しい記載方法については、こちらの記事もご参照ください。
もちろん、前述した事業資金相談ダイヤルや最寄りの支店に問い合わせれば、丁寧に教えてもらえます。
(4)必要書類を準備しましょう
これから事業を始めようとしている場合と、すでに事業を始めている場合とでは準備する書類が異なります。
また、法人なのか個人事業主なのかによっても多少異なりますので、ご自身の状況に当てはまる方の書類を準備しましょう。
(5)いよいよ面談です
申込書を提出してから、1週間~2週間ほどで日本政策金融公庫の担当者と面談をします。
面談では提出した資料をもとにさまざまな質問をされますので、事業に対する想いや事業計画など、何を聞かれても答えられるようにしっかりとシミュレーションをしておきましょう。
面談時間は30分~1時間半程度です。好感を持ってもらえるようにスーツで面談に臨みましょう。
(6)現地調査・審査
担当者が開業予定地を現地調査したり、申込者の書類をチェックしたり、融資の審査を進めます。
結果が出るまでは気が休まらないかもしれませんが、審査に2週間以上かかる場合もありますので、連絡が来るまで待ちましょう。
(7)融資決定!
すべての審査が終わり融資が決まると、必要な書類が届きます。
書類記載後、同封されている返信用封筒で日本政策金融公庫に送付します。内容に不備があると着金が遅くなってしまいますので、しっかりと確認してから送るようにしましょう。
(8)借入金が入金
日本政策金融公庫に書類が到着後、3営業日後に着金です。
ネットバンキングは着金口座に指定できませんので、それ以外の銀行口座を事前に作成しておいてください。
口座開設は融資が確定した後でも大丈夫ですが、融資の手続きと同時進行でやっておくことで、入金までスムーズに進められます。
(9)返済開始
3.認定支援機関を経由して融資を申し込むケース
(1)認定支援機関に問い合わせ
認定支援機関は全国各地にあります。
インターネットで検索すればたくさん出てきますが、情報が多くてどこにお願いすればいいのかわからない!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
認定支援機関を選ぶポイントは次の3つです。
Point1 資金調達の実績がどのくらいあるのか
融資の実績がどのくらいあるのか確認しましょう。
創業支援に強い、飲食店の融資が得意など、認定支援機関ごとに専門分野がありますので、資金調達支援を月間10件以上行っているかどうかを目安に選ぶと良いでしょう。
Point2 費用がいくらかかるのか
会社によって料金設定はさまざまです。
着手金がかからず、手数料が明確に示されている会社を選びましょう。
ホームページ上に手数料2%~と幅がある場合、いざ面談してみたら「あなたの会社は5%で対応させて頂きます」と想定していた手数料よりも引き上げられてしまう場合もありますので、あまりオススメできません。
Point3 面談対策をしてもらえるのか
融資を受けるには、必ず面談があります。
しっかりシミュレーションして面談に臨んでも、緊張で頭が真っ白になってしまい、うまく説明ができなかったという方もなかにはいらっしゃるようです。
資金調達の専門家である認定支援機関が事前に面談対策をしてくれれば、心強いですよね。
(2)必要書類の準備・作成
認定支援機関に相談すると、融資の際、必要になる書類を伝えられますので書類を用意しましょう。必要書類は自分で申し込む場合と同様なので、事前に準備しておくことで早く進めることができるでしょう。
また、創業計画書などの書類作成もお手伝いしてくれる認定支援機関がほとんどですので、相談しながらより確実な書類を作ることが可能です。
(3)認定支援機関の専門家が日本政策金融公庫に書類を提出
必要書類をすべて用意し、専門家が最終確認をしたのち、日本政策金融公庫に提出します。
(4)面談に臨みましょう
認定支援機関を経て融資の申し込みをすると、専門家が面談に同席してくれる場合もあります。
面談の前にしっかり対策をしておくことは、自分で融資を申し込む場合と何も変わりません。
売上数字の根拠や計画値など、日本政策金融公庫の担当者から何を聞かれても答えられるようにシミュレーションしておきましょう。
(5)融資決定!
融資が無事確定すると、日本政策金融公庫の担当者から連絡がきます。
そして、必要書類が郵送で届きますので、漏れなく記入し送付しましょう。
送付が遅くなったり、書類に不備があったりすると、口座への入金が遅れてしまいますので、注意が必要です。
(6)借入金が入金
こちらも自分自身で融資を申し込んだ場合と同様、日本政策金融公庫に書類が到着後、3営業日後に着金です。
認定支援機関を経由した場合、他の金融機関での追加融資の提案や今後のビジネス展開についてなど相談することもできますので、話を聞いてみるのも良いでしょう。
まとめ
「自分自身ですべて行う場合」と「認定支援機関と呼ばれる融資の専門家を通す」方法、どちらもメリット・デメリットがあります。
融資の流れを踏まえた上で、どちらで融資を進めるか検討しましょう。