日本政策金融公庫から事業用のお金を借りる場合、基本的に融資担当者との面談をしなくてはなりません。
普段の生活で面談をすることはなかなかないので、緊張する方もいらっしゃることでしょう。
今回の記事では、日本政策金融公庫の融資担当者との面談時の心構えを7つのポイントに分けてご紹介いたします。
その1. 面談時の服装はスーツでなくてもOK
聞きたいけどなかなか聞けないこと。それは面談時の服装についてです。
基本的に、日本政策金融公庫の担当者との面談での服装はスーツでなくてもOKです。とは言え、最低限のマナーはありますので、次の点をおさえた服装で面談に臨みましょう。
- 汚れたジーンズやシワだらけの服装は避ける
- オフィスカジュアル(シャツ+ジャケットなどの上着+革靴)を心がける
面談は社会人としてお金の話をする場です。相手に対し失礼のない服装であれば特に問題はありませんが、スーツをお持ちの方はスーツを着た方が無難です。
その2.必要書類を忘れない
面談では融資を受けたい申込人が各種書類を持参しなくてはいけません。書類が足りなかった場合、後日提出も可能ですが、その分審査にかかる時間は延びてしまいます。
融資の際、必要となる基本的な持参物を紹介しますので、余裕を持って準備しておきましょう。
【本人確認書類】
【事業計画を証明する書類】
【申込人の収入や借入の有無を証明する書類】
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面談はあなたの融資が審査される重要な場ですので、いつもより心理的に焦ってしまう可能性があります。その上で、忘れ物まであると気が動転してしまう方もいることでしょう。
そういった意味でも、できる限り持参物の忘れ物は避けるべきです。
これらの書類を不備なく用意するには、早め早めに行動をして期日までに間に合わせるのは当然ですが、チェックリストを作りチェックするのも有効です。
どうしても書類が準備できないなどの事由が発生した場合は、早めに日本政策金融公庫の担当者や認定支援機関(を経由する方)へ相談しましょう。
その3.可能であれば添付資料を作成する
日本政策金融公庫の融資の金利はノンバンクのビジネスローンなどより低く設定されています。例えば、創業融資で利用する方が多い新創業融資制度の基準金利は2.41%~2.80%(令和2年11月2日現在)ですが、ビジネスローンの金利は15%~18%程度です。
低い金利で日本政策金融公庫からお金を借りるために、必ず返済できるということを根拠を持って説明できる必要があります。
すべての方が融資の審査に通るわけではないので、少しでもあなたが融資の審査可能性を高めたいのであれば事業が順調に行き、問題なく返済可能であるとアピールできる添付書類を別途作成しましょう。
添付書類については業種などによりますが、一般的には以下のような書類を作成することをおすすめします。
【融資面談時で有効な添付書類】
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事業計画書を作るだけでも大変なのに、添付書類まで作る時間も気力もないと思われる方もいらっしゃいます。
しかし、これらの書類を作成すれば自然とデータが頭に入りますので、面談も自信を持って臨めるというメリットがあります。
また、しっかりアピールできる書類があれば日本政策金融公庫の担当者の印象も格段に変わります。
提出書類に不安がある方は認定支援機関への相談も検討してみましょう
認定支援機関は小規模事業者や中小企業の経営相談にのってくれる、国から認定された公的機関で、創業支援や事業計画作成支援などを実施しています。
「自分で書類を作ったけれど審査に通るか不安」「専門家に依頼して精度の高い書類にしたい」方は認定支援機関に相談することも検討してみるとよいでしょう。
当サイトを運営している株式会社SoLaboも認定支援機関です。これまでに3,700件以上の融資をサポートしてきた実績に基づき、書類作成にご不安のある方へのアドバイスや、書類作成代行が可能です。相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
その4.書類に書いてあることは説明できるようにしておく
書類をしっかり作成すれば、書類がモノを言いますので日本政策金融公庫の担当者はその確認をしていくというスタンスで面談に臨みます。
書類の数字やコメントに「あれ?」と思われる箇所があると、それについては面談の場で申込者へ質問をして明確にしていきます。
しかし、当の申込者が面談中に「これは妻が作成したので私はわかりません」「覚えていません」などとアタフタすると、お金を貸す側としては不安になってしまうのです。
書類は用意して安心するのではなく、隅々までチェックして自分で説明できるようにしましょう。
認定支援機関を通じて日本政策金融公庫へ申込みをする方は「専門家が同席してくれるから安心だ」と自分で何も話さないと勘違いされている方もいらっしゃいます。
専門家が同席をする場合でも、基本的に日本政策金融公庫の融資担当者と受け答えをするのは申込者本人ですので、書類の内容はきちんと把握しておきましょう。
その5.プレゼンはしなくてOK!あくまで自然体で売上根拠を説明する
就職時の面接とは違います。日本政策金融公庫の担当者はあなたのアラを探して落とそうとしているわけではありません。逆に日本政策金融公庫の担当者としてはなんとか融資を通したいと思っています。
ただ「この人には返済能力があるかな」「この事業は融資をして売上が上がる余地があるかな」と判断するために質問をしています。
そのため、長い文章をまるまる覚えて演説するようなプレゼンは意味がありません。
日本政策金融公庫の担当者が知りたいのは「きちんと返済ができるかどうか」これに尽きます。
面談では売上や事業実績についての質問がメインと考えて心構えしておきましょう。
自分の言葉でなぜこの売上がたったのか、そして今後も売り上げる自信がある根拠は何なのかを明確に自分の言葉で説明できれば面談の姿勢としては100点です。
その6.NGフレーズは使わない
融資の面談において「いくらなら借りられますか?」「売上の根拠はわかりません」はNGフレーズです。
創業計画書や事業計画書に融資のお金の使いみちや売上の根拠を記載しているのにもかかわらず、このようなフレーズを言ってしまうと、「計画性がないのでは?」「計画通りの売上は見込めないのでは?」と日本政策金融公庫の担当者にマイナスの印象を与えてしまいますので注意しましょう。
その7.焦らないで正直に話す
日本政策金融公庫の担当者は、順序立ててあなたの事業やお金について把握をしようとしています。
面談時間も1時間程度ありますので、焦らずゆっくり丁寧に答えることを心がけましょう。
厳しい質問をされるかもしれませんが、感情的にならず論理的に答えることが大切です。
まとめ
日本政策金融公庫の担当者はどのようにしたらあなたに融資できるのか可能性を探るために面談で質問をします。
決して落とそうと思っているわけではありませんので、7つのアドバイスを参考に面談に臨みましょう。
必要書類や面談に不安のある方は認定支援機関などの専門家に相談してみるとよいでしょう。