起業したいけど、起業ってリスクがあるから出来るだけオトクな制度を利用したい。こんな考えを持つ方は、補助金や助成金などを調べています。
けれども、助成金・補助金の多くは開業後にもらえるキャッシュバックです。今回の記事では、これから起業する方にメリットがある「創業支援の制度」をできるだけ簡単にご紹介しましょう。
1.創業支援事業計画って一言で言うと何?
このページにたどり着いた方はおそらく、「起業」「創業」などで検索した後に「創業支援事業計画」という制度があると把握した方が大半だと思います。日本は海外に比べて起業率が低いということで、昨今、やたらと日本政府主導で起業セミナーや創業支援が充実しています。その一環で、平成26年に施行された「産業競争力強化法」に基づき策定されたのがこの創業支援事業計画という制度です。
創業支援事業計画は一言で言うと、あなたの住む街などの自治体が「創業支援事業計画をこんな風にするよ~!」とアピールし、それが国(=経済産業省)に認められたものを指します。国に認められているということは、すなわち、国から予算がおろされているということです。
国からの予算の財源はどこから来ているの?というと、日本国民われわれの税金です。あなたの住む街の自治体がこの創業支援計画に参加しているのであれば、これを使った方が使わないよりもオトクに起業できると言えるかもしれません。
2.創業支援事業計画で起業すると、何がオトクなの?
みなさんが一番知りたいであろう点である、「どのようにお得になるか」については以下箇条書きにてご紹介いたします。
【自治体の創業支援事業計画は何がオトク?】
- 創業支援事業計画を通して会社設立すると登録免許税の割引がある
- 民間の業者によるセミナーなどより勧誘がないため安心感がある
- 創業希望者のためのセミナーや研修が無料で受けられる
- 事業計画の作り方について無料で指導してくれる
- 自治体によっては、起業後の事務所(インキュベーション施設(を格安で貸してくれる(月3万5千円~)
- 資金面だけでなく経営についても相談できるワンストップ窓口の設置 など
- 日本政策金融公庫の新創業融資制度での自己資金要件(融資希望額の1/10以上)が緩和される特例が適用される
- 中小企業が無担保・無保証人で融資を受ける場合の上限は1,000万円ですが、創業支援事業計画を経由すれば最高1,500万円までと借入枠が拡充されます
- 通常、創業の2か月前から利用できる無担保・無保証人の事業融資が創業の6か月前から利用可能です
起業に対する相談から事業計画書の書き方(創業計画書の書き方)と資金調達、そして起業後の相談まで、まさにワンストップ(1か所で全てまかなえる)窓口を自治体が実施してくれるのです。これを利用しない手はないですよね。
3.自分の地元では創業支援事業計画をやっている?
創業支援事業計画は日本全国すべての自治体で実施されているわけではありません。平成26年から実施されている同計画ですが、平成26年~28年の実施がピークで、その後平成29年と平成30年については極少数の自治体のみが実施しているのです。
どの自治体が創業支援事業計画をやっているのかは、以下のリンクで検索できます。
産業競争力強化法に基づく認定を受けた市区町村別の創業支援等事業計画の概要
※上記URLをクリックすると、中小企業庁の公式ページへとリンクします
助成金や補助金の場合もそうですが、制度がスタートした直後から数年たつと、その制度自体がフェイドアウトしてしまうケースが多いです。まだ募集している自治体へお住いの方は、今のうちにこの制度を検討しておいた方が良いかもしれません。
4.仕組みがよくわからない!創業支援事業計画を図で表すと
この制度は誰でも利用できるものではなく、自治体によりあなたの行う事業が「特定創業支援事業」であるという証明書を自治体に発行してもらう必要があります。証明書を発行してもらう条件は「セミナーに出席すること」などがありますが自治体によりまちまちです。
5.創業支援等事業者補助金とは違うのか
国に認められた自治体による創業支援を調べると、他にも創業支援事業者補助金という言葉を見つけることができるでしょう。創業支援等事業者補助金は創業支援事業計画の名称が平成30年に変更されたものです。
そのため、創業支援事業者補助金も国から認められ創業支援事業計画を行っている自治体が実施しています。創業支援等事業者補助金は平成30年度には5月2日~6月22日という期間で募集されていました。この補助金は個人事業主が対象外で、創業事業計画の認定企業(法人)が最大1,000万円(最低50万円)まで支給され、人件費・謝金・旅費・設備費などにあてることができます。
詳細は、以下のURLより要綱をご確認ください。(平成31年度の募集はまだされていません)
なお、この補助金に認定されるのはなかなかハードルが高く、自治体との連携や事業計画書作成など、半年以上前からの入念な準備が必要です。
まとめ
創業支援計画は経済産業省に認定された自治体が予算を組んで実施するさまざまな創業者支援を指します。
平成26年からスタートし、最近ではその名称を~補助金と変更しています。