事業をスタートすると、社長の誰もが気になるのが「どこまで経費として落としていいのか?」ということではないでしょうか?
飲食店での取引先の接待から、打ち合わせに行くための電車代やタクシー代、事務所や店舗の家賃や水道光熱費、社用車の車検費用まで。
日々、事業活動を行っていれば、経費はどこかで必ず発生するものです。
とはいえ、事業活動のために使ったものすべてを「経費」として処理できるだけではない、ということも、皆さんはどこかで耳にしたはずです。
では、「経費」として処理できる基準は一体何でしょうか? 誰もが知りたい、「経費」の基準を今回はご紹介したいと思います。
経費として認められるボーダーラインとは?
「法人は個人事業よりも経費にすることができる範囲が広い」。
皆さんは、こんな話を聞いたことがあるかもしれません。
法人の場合、事業活動に関連する支出は、原則すべてを経費にすることができるとされており、個人事業よりも経費にできるものが幅広くなっているのです。
個人事業から法人にされた社長ならば、事業活動に関わる出費を経費にできると感じている方も多いかもしれません。
しかし、あらゆる出費を無制限に経費に計上できるわけではありません。たとえば、お子さんや奥さんに対するプレゼント代、家族皆で飲み食いした飲食代、家族で行った個人的な旅行を交通費や宿泊費を経費に含めることはできません。
経費として計上できるのは、あくまでも「事業活動に関連している支出」の場合です。
ですので、前述したような事例のように、明らかに事業活動に関連していない支出を「これは経費です」と主張しても税務署は認めてはもらえないのです。
支出を経費にするための3つの基準
ところが、同じ旅行でも、最先端の事業サービスの視察が目的の旅行ならば、現地までの交通費や滞在費用などは経費として認められるのです。
もちろん、経費として認められる理由は、事業活動に関連している支出だからなのです。ただし、認められるためには、事業活動に関連しているということを社長自身が証明しなければなりません。
たとえば、取引先との会食の場であれば、普通の飲食と異なることを証明するために、どのような人と会食したのか、相手の名前などを領収書の裏に書いておく、というのも支出として認めてもらう一つの方法です。
もちろん、会食にかかった費用も経費として認められるか、どうかのポイントになります。
3~4人の仕事のための会食なのに、数十万円もするような飲食代のケース。
この場合は、一般常識と照らし合わせて不自然ですから認められない可能性もあります。
事業関連支出として認められるためには、次の3つの基準に照らし合わせて、認められるか、そうでないかを判断することが重要でしょう。
- 事業との関連性を説明できる支出であること、また、そのための証拠も揃っていること
- 常識の範囲内の支出であること、また一般常識に比べて妥当な金額であること
- 良心に照らして、やましいところがない支出であること
この3つになります。しかし、この基準にも照らし合わせても、判断に余るというケースが出て来るかもしれません。
そのような場合は、税務の専門家の税理士に相談したほうが、経費処理がスムーズになるだけでなく、申告時の税務署とのトラブルを避けることができます。
また、自分では経費にできないと思っていた支出も税理士に相談することで、経費に計上することができた事例はいくらでもあります。
たとえば、プレゼントでも家族に対するプレゼントは論外ですが、取引先や顧客へのプレゼントということであれば、その支出を経費にすることはできます。
支出を経費にすることができる税理士は、あなたの事業に精通した税理士でなければできません。
相談する税理士を見極めることも重要なのです。
経費による節税はバランスが大切
経費を増やせば、課税される所得が減り、結果的に税金を安く抑えることができます。
しかし、だからといって節税をするために経費を使えばいいということにはなりません。
決算前に経費を使って利益を減らすのは節税対策の王道ですが、それはあくまでも利益が出過ぎた場合のケースです。
利益が少ししか出ていないのに経費を増やしていけば、最悪の場合、赤字の決算書が出来上がってしまう可能性もあります。
この場合、税金は払わなくて済むかもしれませんが、金融機関からの融資が受けられなくなるリスクが出て来てしまうのです。
融資が受けられなくなれば、事業活動に支障が出る場合もあります。
だからこそ、きちんと適正な利益を出して、きちんと納税をすることが大切なのです。
また、そうすることが、会社を成長させていく最短距離でもあるということを理解しましょう。
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